在インドネシア日本国大使館
以下の注意は東チモールやイリアンジャヤのマラリア流行地に短期で出かける際の参考にしてください。
マラリア対策で一番大事な事は蚊に刺されないことです。
○ 蚊に刺されないための対策
- マラリア蚊が人を刺すのは夕暮れから夜明けまでの間が普通なので,この時間帯に外出する際には露出した肌に昆虫忌避剤を塗ってください。 (Baygon
社の Autan, Johnson 社の Off
等)特に高温多湿の場所では,3ー4時間の間隔で繰り返し塗る必要があります。 特にくるぶしあたりによく塗ってください。
- 出来る限り,戸や窓に網がついているしっかりした造りで,良く手入れされた建物(エアコン装備)に滞在してください。 網がなければ,日没後に窓と戸を閉めてください。
- 住まいの中に蚊が入ってくるなら,ベッドを覆う蚊帳を使用してください。 蚊帳の裾はマットレスの下へ挟み込み,蚊帳が破けていないか,また蚊が中に入っていないか確認してください。
- 夜間の寝室では,スプレー式の殺虫剤や,蚊取り線香をつけてください。
○ 流行地から戻って
どんなに予防しても,またマラリア予防薬を服用していても完全には予防できない事を承知しておいてください。
マラリア流行地に入ってから5日以上経って,3日間以上の発熱(38度以上)や悪寒が出現したら,マラリアを疑って下さい。早急に医療機関を受診し,マラリア流行地にいた事を述べ,マラリア原虫の検査を早急にしてもらってください。マラリアが見つからなくても発熱が続く場合には,検査を繰り返し依頼して下さい。
○ 予防薬
予防薬を服用するよりも大事な事は,蚊に刺されない事,発熱したら直ぐ医療機関を受診する事です。
予防薬を希望する場合:東チモールやイリアンジャヤでは熱帯熱、三日熱マラリアが流行しています。クロロキン耐性も20%以上(東チモール)、40%以上(イリアンジャヤ)と言われています。推奨される予防薬は、クロロキン、メフロキン、ドキシサイクリンです。イリアンジャヤでのファーストチョイスはメフロキン、ドキシサイクリンです。
メフロキン:メフロキンを出発の1週間前から250mg(体重1kgあたり5mg)を毎週1回服用してください。マラリア流行地域を離れてからも4週間は内服を続けて下さい。副作用はめまい,神経精神反応等です。 (注:ジャカルタでは一般的に入手できません)
ドキシサイクリン:メフロキンが手に入らない場合は,ドキシサイクリン(Vibramycin)で代用できます。100mg1錠(体重1kgあたり1.5mg)を出発前日から流行地を離れてから4週間内服してください。副作用は,吐き気,下痢,発疹などです。なお、ドキシサイクリンは妊婦、8才以下の子供は禁忌であり、使用できません。
クロロキン:クロロキンを服用する場合には1週間あたり300mg(体重1kgあたり5mg)使用してください。マラリア流行地域を離れてからも4週間は内服を続けて下さい。副作用は吐き気等です。
いずれの薬も食事直後というように食物と一緒に多量の水で飲み込んで下さい。
○ 治療薬
マラリアになった場合、熱帯熱マラリアであればファンシダール、効果がない場合やサルファ剤にアレルギーがありファンシダールを使えない場合には、キニンを使う事になります。 三日熱マラリアの場合には、ファーストチョイスはクロロキン、効果がない場合にはキニンを使う事になります。
○ 注意
上記の予防薬、治療薬は副作用も強いため、素人療法はたいへん危険です。必ず、事前に専門家の指示をあおいでください。
○ その他
妊婦と子供は,できるだけマラリア流行地に行かないようにしてください。 どうしても旅行が必要な場合には医師にご相談ください。
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