電話線路保全訓練センター(OPMC)/電話線路建設センター(OPCC)
  • 電話線路保全訓練センター建設計画(無償資金協力) (1985)
  • 電話線路保全訓練センター(プロジェクト方式技術協力) (1986)
  • 電話線建設センター(プロジェクト方式技術協力 (1994)

実施期間:

  • 電話線路保全訓練センター建設計画(交換公文締結日: 1985年7月26日)
  • 電話線路保全訓練センター(1986年 4月 1日~1995年 3月31日)
  • 電話線路建設センター(1994年11月20日~1998年11月19日)

実施場所:
    西ジャワ州バンドン市

供与金額:
    5.57億円(無償資金協力)

目的:
電話線路保全訓練センターについては、当時、電話の普及がアセアン諸国と比較して大幅に遅れていたインドネシアにおいて、外国の資金協力による大幅な電話線路の増設が決定されたことにより、今後電話線(特に加入者ケーブル)の保守体制の整備が急務となったことから、これら保守を行う人材の育成を行うもの。また、電話線路建設センターについては、インドネシアの電話線路工事の監督に携わるインドネシア電信電話会社(TELKOM)職員に対して、電話線路工事に関する建設工法。工事監督・検査などに関する技術移転を行うもの。

案件概要:
インドネシア共和国は当時順調に経済発展の途上であったが、通信網の未整備、特に電話事情の劣悪さが更なる経済発展の障害となっていた。1988年12月の電話普及率は国民100人当たり0.47台、1993年度末でもわずか0.8とASEAN諸国の中でも最も低い水準にあったため、インドネシア政府は外国資金の供与を受けて電話公社PURMUTEL(後のTELKOM)を通じて大幅な電話回線の増設を計画していた。

電話普及の遅れは特に電話線加入者ケーブル網の建設の遅れが主要な原因になっていたが、大幅な加入者ケーブルの増設に伴い、電話公社の生産性及び効率性向上の観点からも加入者ケーブル等に対する保守体制の整備が急務となった。

また、電話線路の増設のために電話交換機、電話線路の新設が行われるものの、電話回線故障発生率が非常に高く(1か月における100台当たりの電話回線故障発生件数が4.1(日本では0.2))、この原因が電話線路施工能力不足に起因する線路部分の故障率の高さにあった。インドネシアにおける電話線路施工については、設計・工法・使用機材などの基準が未整備であり、また、工事監督能力が不足しているため適切な工事の監督検査がなされていないことが問題であった。

そのため、電話線路保全訓練センターの設置により線路保全に携わる人材の育成が行われ、また、電話線路建設センターにおいては「電話線路建設工事の工事管理改善を目的にTELKOMの標準工事の基準を整備し、線路建設の標準化と工事監督者を育成するための研修プログラム」を作成し、インストラクターが養成され、工事監督者訓練コースが設立された。1999年以降は毎年おおむね100人以上の研修生を受け入れており、その後、プロジェクトで建設された実習施設は適切に維持管理・活用され、教材も刷新され、光ファイバー接続等の新規教材も作成されている。


電話交換機の点検を行うTELKOM職員研修生 埋設された電話線路の点検を行うTELKOM職員研修生