令和6年度(前期)草の根・人間の安全保障無償資金協力署名式の実施
令和6年12月19日
[Bahasa Indonesia]
12月19日、当館において、令和6年度前期草の根・人間の安全保障無償資金協力案件として「中部ジャワ州マゲラン県イスラム寄宿塾校舎整備計画」「中部ジャワ州ボヨラリ県母子保健サービス強化のための医療機器整備計画」「バリ州ギアニャル県救急車両整備計画」の贈与契約署名式を開催し、正木靖駐インドネシア日本国大使が被供与団体代表との間で贈与契約を締結しました。
本日署名された案件に関する情報は、別紙のとおりです。これらの案件は、当館に対して申請された草の根・人間の安全保障無償資金協力候補案件の中から、審査を経て令和6年度前期案件として実施することが決定された案件です。
中部ジャワ州マゲラン県のパベラン寄宿塾では、男子中学生用の校舎が半世紀以上一度も修繕されていないことから経年劣化が激しく、安全面に問題があるほか、教室不足のため入学希望者を一定数断らざるを得ない状況です。今般の事業ではそうした状況を改善するべく、校舎の補強修繕と新教室の増設を行い、安全な教育環境の確保を目指します。
中部ジャワ州ボヨラリ県のングムプラック郡内で唯一産婦人科を有するバニュブニン・イスラム総合病院では、医療機材の不足により、妊産婦への訪問検診や搬送されてきた重症新生児への対応が十分行えていません。今般の事業ではそうした状況を改善するべく、ポータブル超音波診断装置や新生児用人工呼吸器等を整備し、母子保健サービスの向上を目指します。
バリ州ギアニャル県のブミ・セハトクリニックでは、周辺の17の村の緊急搬送を1台の救急車のみで対応してきましたが、老朽化に伴う故障も頻発しており、緊急搬送に十分対応しきれなくなっています。今般の事業ではそうした状況を改善するべく、新たな救急車1台を整備し、安定した医療体制の確保を目指します。
草の根・人間の安全保障無償資金協力は、インドネシアで活動するNGO等非営利団体の「草の根」的な活動による知見を活かし、インドネシアの草の根レベルの社会を直接支援するスキームです。順調な経済成長を遂げているインドネシアですが、今後も同国が中長期的に安定を確保するためには、国内の所得格差や、地域格差の是正、そして様々な脆弱性の克服が必要です。今般採択した案件がインドネシアの草の根レベルの社会において、各開発課題の解決に資することが期待されます。