「中部ジャワ州ボヨラリ県母子保健サービス強化のための医療機器整備計画」引渡し式の実施について
~草の根・人間の安全保障無償資金協力~

令和7年7月16日
引渡し式1
引渡し式2
           [Bahasa Indonesia]

 7月16日、中部ジャワ州ボヨラリ県ングムプラック郡ンガルゴレジョ村において、日本国政府による草の根・人間の安全保障無償資金協力の支援によって整備された医療機材の引渡し式が行われました。

 この引渡し式には、日本側から大道拓馬二等書記官、インドネシア側から、ヒラリー・ロスディアニ・バニュブニン・イスラム総合病院理事及びエフィ・エコ・スナルヤティ・ボヨラリ県保健局サービス部長ほかが出席しました。

 本事業は、令和6年12月に当館とバニュブニン・イスラム総合病院との間で署名し、実施したものです。

 バニュブニン・イスラム総合病院は、2011年の開院以来、郡内で唯一産婦人科を有する地域の中核病院として約14年間にわたって郡内外の患者、年間約5,300人の妊婦などに医療サービスを提供し、地域の母子保健に大きく貢献してきました。しかし、近年、ボヨラリ県においては、経済的な困窮や知識不足等により、状態が深刻化する前に適切な治療を受けられない妊婦が一定数おり、妊産婦や新生児の死亡数が増加傾向にありました。また、医療機材の不足により、地域の妊婦への訪問健診や重傷新生児の入院受入れを十分に行うことも困難な状況でした。

 そうした状況を改善するべく、今回の事業では、日本国政府が供与した資金約12億ルピアを用いて、バニュブニン・イスラム総合病院がポータブル超音波診断装置、患者モニター及び新生児用人工呼吸器をそれぞれ1台ずつ整備しました。その結果、年間約2,400人に上る地域の妊産婦への無償の訪問健診や講習が適切に実施できるようになったほか、重症新生児の入院受入れが可能となり、新生児死亡数も5分の1以下に減少するなど、整備された医療機材は、地域の母子保健サービスの向上に役立てられています。


草の根・人間の安全保障無償資金協力
「中部ジャワ州ボヨラリ県母子保健サービス強化のための医療機器整備計画」
案件の概要:中部ジャワ州ボヨラリ県のバニュブニン・イスラム総合病院において、妊婦健診や新生児特定集中治療室に必要な医療機材(ポータブル超音波装置1台、患者モニター1台、新生児用人工呼吸器1台)を整備することにより、妊婦の健診率向上及び早産児や低出生体重児等への対応強化を図り、もって同地域及び周辺地域における母子保健サービスの向上に寄与する。
供与額11,515,594円。
引渡し式3
新生児用人工呼吸器
患者モニター
ポータブル超音波診断装置