広報文化プレスリリース |
令和5年2月13日 令和4年度イスラム寄宿塾教師招へい
日本政府は、日本とインドネシアのイスラム社会との相互理解を深めることを目的に、2004年度からイスラム寄宿塾(プサントレン)教師招へい事業を実施してきました。本年度は、北スマトラ州、リアウ州、リアウ諸島州、ランプン州、西ジャワ州、中部ジャワ州出身の塾長及び教師9名と国立イスラム大学イスラム社会研究所研究員1名が1月24日から2月1日まで訪日しました。
訪日中、招へい者は東京、広島、京都に滞在し、初等中等教育機関や苺農園、平和記念資料館、寺社等を訪問し、日本の教育や歴史、宗教や農業について意見交換を行いました。招へい者からは、学校教育や農業経営における規律正しさや技術の高さに対する驚きの声が上がったほか、被爆者による講話や宗教間談話を通して平和と宗教のあり方について再考しました。また、茶道体験やホームステイを通して日本の文化を体験したことは、参加者にとって貴重な異文化体験となりました。 2月1日には帰国報告会を開催し、招へい者10名や国立イスラム大学関係者等の来賓、また当館からは田村次席公使等が出席しました。田村次席公使は挨拶において、2023年に日本とインドネシアが国交樹立65周年を迎えることに言及するとともに、今回の訪日で参加者が体験し、学んだことを各プサントレンの教育活動において活かしてほしいとの期待を伝えました。 帰国報告会で、参加者の代表であるムハマド・ニダ氏は、ホストファーザーによるインドネシア国歌のフルート演奏の動画を紹介しつつ、ホストファミリーによる温かい歓迎の様子を伝えるとともに、「日本社会は清潔で規律正しく、時間に正確であることを実感した。」と述べました。また、他の参加者9名は教育と農業の二つの分野に焦点を当て、学生の礼儀や規律の正しさ、学校での掃除や給食の配膳に見られる主体性について報告しました。参加者の中には、インドネシアにおける都市生活重視の広がりがインドネシアの農業の衰退に繋がるとの懸念を示しつつ、農業を次世代へ引き継ぐ重要性を訴える者もいました。 来賓として挨拶したイスマトゥ・ロピ国立イスラム大学イスラム社会研究所長は、今回の招聘者10名が訪日を通して有意義な経験を蓄積したと述べ、「日本社会から見習うべき点は各プサントレンにおいて積極的に取り入れ、活かして欲しい。」と伝えました。
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