広報文化プレスリリース |
令和5年8月16日 令和5年度外務大臣表彰(インドネシア)
1. 8月16日、日本国外務省は令和5年度外務大臣表彰受賞者を発表しました。
2. 当館推薦の個人6名が、その功績により外務大臣表彰を受賞されました。受賞者には、表彰状が贈られます。 ・大中 晋 日本工営株式会社 交通運輸事業本部港湾空港事業部海岸港湾部 プロジェクトチームリーダー 同人は、バリ海岸保全事業(サヌール海岸、ヌサドゥア海岸、クタ海岸、タナロット寺院)において、景観・環境に配慮した海岸侵食対策の設計に関わり、1999年にその経験を生かして海浜再生にかかる技術的課題とその解決策に関する具体的な取組に関する論文を発表しました。以降毎年発表された論文は、アジア土木学会にて高く評価され同学会より表彰されました。我が国の高い技術力と実体験に基づく論文は、技術移転を円滑かつ有効に行うために有益なものであり、我が国の経済協力の効果的な推進に寄与しました。 ・小尾 吉弘 職業専門高校ミトラ・インダストリMM2100創設者 同人は、1989年からMM2100工業団地の立上げに携わった後、2012年に同工業団地の周辺地域に住む若者たちを工業団地の入居企業のニーズに沿った人材に育成することを目的に、日系企業で働く、インドネシア人有志と共に同工業団地内に職業専門高校を設立しました。同校は、インドネシア教育・文化・研究・技術省のモデル校に指定されるなど、質の高い教育を実践し、現在は、2,604名の学生が在籍しています。これまで4,600名の卒業生を輩出し、その多くが同工業団地内の日系企業等に就職するなど、インドネシアにおける人材育成に大きく寄与しました。 ・下田 義文 元八千代エンジニヤリング(株)代表取締役社長 同人は、インドネシアのメラピ山やスメル山、クルー山等で砂防施設の配置計画を行うための火山砂防基本計画策定を主導し、その実績を買われ、2015年のアンボン天然ダム、2016年のシナブン火山噴火、2022年のチアンジュール地震等の大規模な土砂災害発生に際し、当地政府の求めに無償で相談に応じ、当地の防災支援と日本の砂防技術に対する信頼を高めることに貢献しました。 ・ディア・ムドゥブランティ インドネシア大学日本研究センター長 同人は、インドネシア大学において長年日本研究に従事し、日本の教育や文化に関する論文発表をする等、インドネシアにおける日本理解の促進に寄与しました。また、2011年から同大学日本研究センター長を務め、2012年には、在インドネシア日本国大使館とインドネシア大学の共催により、各分野を代表する日本人講師が交替で講義を受け持つ「日本講座」の創設に尽力しました。以降、形を変えながら毎年同講座を開講し、インドネシア大学以外の参加者も募り、対日理解促進に貢献しています。現在も、ダルマ・プルサダ大学言語文化学部長を務めるとともに、ナショナル大学日本文学学科で和食文化や日本語翻訳の教育に携わり、対日理解促進に寄与しています。 ・ディノ・パティ・ジャラル インドネシア外交政策コミュニティ設立者・代表 同人は、2015年から代表を務める当地の有力シンクタンク「インドネシア外交政策コミュニティ(FPCI)」のセミナーにおいて、当地要人が出席する中で我が国外務大臣や大使が我が国の外交政策を発信する機会を提供 してきました。また、ASEAN各国の大学生向けに、シンポジウムや、我が国ASEAN代表部と協力して日ASEAN友好協力50周年イベントを実施する等、日本の外交政策や考え方についてASEAN各国への理解促進に大きく貢献しました。ユドヨノ政権では大統領補佐官を務め、その後も外務副大臣を歴任する中で、日インドネシア協力関係の強化に尽力しました。 ・ヘル・サントソ・衛藤 財団法人福祉友の会会長 同人は、残留日系二世。インドネシア唯一の日系人組織である会の会長職を一世の世代から引き継ぎ、20年以上に亘り活動維持・発展に尽力しています。若い世代の日系人が日系人としての自覚と誇りを持てるよう、会の活動に積極的に参画させることに注力し、また、インドネシアの日系人社会の歴史を一般市民や在留邦人にも広く理解を促す目的で、現地在留邦人社会からも大きな支援を得て、同会の本部を歴史ギャラリー化する計画を2020年に立ち上げ、完成まで導きました。在留邦人社会との信頼関係の強化にも多大な貢献を行っています。 3. 外務大臣表彰は、多くの方々が国際関係の様々な分野で活躍し、我が国と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている中で、特に顕著な功績のあった個人および団体について、その功績を称えるとともに、その活動に対する一層の理解と支持を国民各層にお願いすることを目的としています。 |