広報文化大使館ニュース |
平成30年8月10日 「夢が叶った!」(日本インドネシア国交樹立60周年記念ロゴ制作者−訪日エッセー)
日インドネシア国交樹立60周年のロゴマークのデザインが、私の夢を叶える魔法の扉を開けた。その扉を開ける鍵は熱心さであったことに気付いた。それを達成するための真剣さ、勤勉さ、愛情の全てが必要であった。これら全てはゼロから始まった。 日本の日常生活や文化が詰まった、興味深くて愉快なテレビ放送をきっかけに、私は、日本という国に憧れるようになった。その国には、勤勉な文化があり、「未来」があると、その時自分は考えていた。ドラえもんといった子供向けアニメは私のお気に入りで、日本についてより学びたいと思うようになった。 訪日という大きな機会は、日本がいかにして大きな民族になったのかについて、私を開眼させた。日本では、国民が規則を認識し、高い規律を有し、秩序に沿って快適に生活できる。イノベーションと技術革新への弛まぬやる気を持っている。一方で、日本は、伝統文化を大事に守っている。日本は技術がとても進んでいるが、民族のアイデンティティを失いたくないと考えている。例えば、日本の礼儀の一つであるお辞儀は、市民に根付いている。アニメや漫画を用いて、歴史を面白くパッケージ化し、わかりやすくしている。特に市民の若い層が、英雄の闘争の物語や祖先の生活を学べるようになっている。史跡では、音声ガイダンスが設置され、訪問者が理解しやすくしている。このようにして、日本では、過去と現在と未来が一つになっている。それらはお互いを支え合い、強く関連する。これこそが、インドネシアに適用されるべきことである。なぜなら、スカルノ大統領は、偉大な民族とは自身の民族の歴史を忘れたことがない民族である、と語っているからである。
行列の文化も私は好む。線、印やロープが無くても整然と整列した人々を見た時は美しいと感じた。電車やバスに乗車する際、食事をする際、自動販売機を使う際、彼らの人生になっているかの如く、常に行列する。これはインドネシアでは滅多に見ることができない光景で、私は、秩序立って生活することは、人生を楽にすると気付いた。 東京を巡った7日間、私は各訪問先で各々の印象を持った。明治神宮の雰囲気は、私の心と考えを穏やかにした。なぜならば、この巨大な神社は静寂な森の真ん中に潜んでいるが如く、一度だけカラスの鳴く声と、風に揺れる木の音を聞いた。沢山の日本のお寺を私は好きになった。その一つが浅草寺で、東京でも歴史のあるお寺の一つである。この寺院は、赤い色で覆われ、清潔で、整然とし、訪問客で賑わっていた。 東京のほか、日光も訪問し、最終日に『桜の国で夢を追いかける』の収録を行った。これは、疑いようもなく日本での一番の思い出になった。日光は、美しく、特に東照宮は日本統一の英雄である徳川家康が祀られている。金色で、装飾が美しい。東照宮の建物は何れも小綺麗に建てられている。柱、屋根、壁の彫刻の細部も見物である。更に、丘陵地である日光の地形に沿った階段や道路は言わずもがな、である。ここでも私は、過去においても日本がいかにすごかったかを学んだ。 この日本でのとても貴重な経験と学びを、まずは自分自身に適用し、特に若い世代に広げていきたい。このような格別な機会を下さった石井大使に、最大限の感謝をしたい。夢は、若い世代が将来を造る一番の元手となるから、若い世代が夢を叶える機会がより多く開かれることを願う。私は、これから、作品を作り続けることで、インドネシアと日本との関係の緊密性のため、より大きな貢献をしたいと思う。 クリス・セティヤ・ウィラタマ Krisna Setya Wiratama |