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私の真の友人(コランシンド紙、4月11日)![]() 「@jpnambsindonesia」 皆さんは、こちらのインスタグラムのアカウント名をご覧になった事はありますか。 実は私は、駐インドネシア日本国大使として、インスタグラムを持っています。インドネシアや日本の食文化、人物交流などのソフトなポストや経済協力などのハード面での関係も発信しています。 こうしたSNSの交流で私が伝えたいメッセージは、私にとってインドネシアの方々は「真の友人」であるという事です。日本とインドネシアは1958年に平和条約に署名し、国交を樹立してから、既に60年以上の月日が流れています。この間に日本を大切にしてくれたインドネシアの「古くからの友人」を大切にし、また、これからも「新しい友人」と出会いたいと心から願っています。インスタグラムなどのSNSを通じて、私たちは心が繋がっています。 少し堅いお話をさせて頂くと、グローバリゼーション及びIT技術の発展に伴い、各国の人々の心と心を繋ぐ架け橋として、SNSはこれまで以上に重要な方法として注目されています。 では、SNSの具体的な利点は何かと言えば、その敷居の低さと拡散力にあると思います。日本の約5倍の国土を有し、約2倍の人々が住んでいるインドネシアにおいても、インターネットを介することで皆さんに情報発信が出来ます。今や約1億7000万人ものインドネシアの方々がSNSを利用しており、その数は世界第5位と言われるデータもあります。また、インドネシアでは多くのユニコーンと呼ばれる新興企業が出現しており、今後もデジタルを活用した繁栄は進み続けます。 私が学生だった頃は、外国の情報を得るためには、新聞やテレビを通じて情報を集めるしかありませんでした。情報が不足している場合には、各国の在京大使館に実際に足を運び、教えてもらう必要がありました。こうした時代と比較すると、SNSは人々に情報を積極的に提供する貴重なツールであると言えます。 そして何よりも重要なことは、SNSによりフォロワーの皆さんと双方向の交流が可能となったことです。フォロワーの皆さんからコメントや企画の提案などを頂き、随時、発信のアイディアとして活用しています。インドネシア料理の動画や出張の際の名産品の投稿などは、フォロワーの皆さんからのお勧めにお応えしています。北スマトラ州出張時のドリアンなどは、皆さんから頂いたコメントで是非食べてみたいと思いました。こうした親しみのあるコメントを通じた双方向の交流により、フォロワーの皆さんと触れ合うことが楽しみで、毎日、自分のインスタグラムを開く度に胸が高鳴っています。特にインドネシアは若い世代の方々が多く、活気が溢れ、私の見えていないところにまで気付いくれている点は、非常に参考になります。これからもフォロワーの皆さんのコメントを心待ちにし、交流を続けていきたいと思っています。 何故、SNSを通じてインドネシアの友人と親密に交流が出来るのでしょうか。それはおそらく、両国ともに若い世代に対する関心が高く、未来を見据えた協力を築いてきているからであると思います。インドネシアでは全人口の約6400万人が若い世代であり、また、少子高齢化が進む日本においても、アプローチは違いますが、将来の担い手である若い世代への関心が高いことに変わりありません。 実は、私のインスタグラムで最も「いいね」が多かったのは、私の初孫誕生についての投稿でした。因みに、私の初孫はジョコ大統領と同じ誕生日で、60歳違いとなります。また、今年2月に東京ヴェルディに移籍をしたサッカーのアルハン選手は若干20歳の若手ホープであり、日本とインドネシアの双方で関心を集めている方ですが、アルハン選手に関する投稿も沢山の「いいね」を頂きました。そして、最も重要なこととして、両国が60年以上もの間、協力を深め信頼関係を培ってきたことで、お互いを「真の友人」と考えていることが理由なのではないでしょうか。 私のSNSでは、日本とインドネシアの次世代の協力を見据えた投稿をしてきています。海洋分野での協力、脱炭素に向けたエネルギー転換に関する取り組みや電気自動車、その先の水素自動車での協力の可能性についてもお話してきています。SNSを通じて、私達は未来を見据えた関係を構築しているのです。こうした関係は、日本とインドネシアが出来る協力、いや、既に60年以上も「友人」であり続けた日本とインドネシアだからこそ出来る協力であると確信しています。 今後もSNSを通じて、私の初孫のように次世代を担う無限の可能性を秘めた光から、ジョコ大統領のように今、光り輝いている世代まで、幅広い層で友人を増やして、今後も皆さんに日本のことを知って頂きたいと思います。日本に親しみを感じてくれるインドネシアの友人だからこそ、沢山の方々に見て頂けるのではないかと期待しています。日本とインドネシアの若い世代がこれからの世界を牽引していく姿を想像せずにはいられません。 今後もデジタル化の流れは変わらず、更に進化していくことでしょう。この様な世界の流れの中で、私達は今までも、そしてこれからも協力し、信頼出来る関係を築いていくパートナーであり続けると確信しています。読者の皆様も是非、SNSを通じて私の「真の友人」になりませんか。お待ちしています。 金杉憲治 駐インドネシア大使 >>>その他の寄稿文・挨拶 |