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EKB62(その18);経済だけじゃない!日本とインドネシアの関係2018年7月18日 日本とインドネシアの経済面での関係がとても緊密であることは、今まで、何度となくお伝えしてきました。日本からインドネシアへの投資は、実質、単独国としては第一位で、昨年2017年で約50億ドルに上ること、約1800社の日本企業がインドネシアの就業者の約10%に当たる約500万人の雇用を創出し、インドネシアのGDPの10%、輸出の20%は日本企業によるものであることなど、当地で商工会兼日本人会の役割を果たしておられるJJCのご努力もあり、相当広く認識されるようになってきたと思います。 一方、実は、日本とインドネシアの関係は、経済に留まらず、政治・安全保障の分野でも、近年、緊密度を深めています。最近、それを示す出来事がいくつかあったので、今回は、まとめてご報告したいと思います。 自衛隊練習艦隊ジャカルタ寄港まず、6月4日から6月8日までの間、泉博之海将補を指揮官とする海上自衛隊遠洋練習航海部隊の練習艦「かしま」(4,050トン)と護衛艦「まきなみ」(4,650トン)が、ジャカルタ・タンジュンプリオク港に寄港しました。遠洋練習航海は、海上自衛隊幹部候補生学校の課程を終えた初任幹部が、最初の実務として行うものです。年一回、約5カ月、5万7千キロ以上を航海するのですが、今年は、外交関係60周年ということも有り、その最初の寄港地に、ジャカルタを選んでいただきました。 泉海将補と私で共催した艦上レセプションには、インドネシア側からユド・マルゴノ・インドネシア海軍第1艦隊司令官他、数多くの軍人にも参加いただきました。少し失礼かもしれませんが、まだ初々しく見える初任幹部の皆さんが、臆することなく、インドネシア軍関係者や、各国の駐在武官と交流を深める姿を見て、本当に頼もしく思いました。 何といっても、日本とインドネシアは、同じ海洋国家であり、航行の自由や安全をどのように確保するかが共通の課題です。日本大使館の防衛駐在官は、伝統的に海上自衛隊からおいで頂いているのですが、これも、単なる偶然ではありません。実は、自衛隊の艦船は、今年5月にインドネシアが主催したコモド2018という共同訓練も参加しています。今回の入港実現に当たっても、両国の海軍間で色々な連携が行われ、人的なネットワークも一層強化されたようですし、初任幹部の方々が新しく結んだ友人の絆は、必ずや、これからの一層の両国関係の強化と深化に繋がると思います。 ![]() ![]() 第52回自衛隊記念日とPETA去る7月5日には、第52回自衛隊記念日を祝うレセプションを開催しました。今年は、60周年記念も相まって、昨年を少し上回る約400人ほどの方々にお越し頂き、大盛況でした。また、今回は、安全保障に関連する技術や装備に長けたいくつかの日本企業の方々にブースを出して頂きましたが、ゲストの方々の関心も高かったように思います。 昨年の自衛隊記念日については、このコーナーでも書かせていただきましたが(EKB62その3;長い友情)、その際、既に80歳を優に超えられた、元PETA(郷土防衛義勇軍)のメンバーお二人と、そのご家族の方々にもおいでいただいたことをご報告しました。その方々と再会できるのを楽しみにしていたのですが、今回は残念ながら、出席いただけませんでした。ただ、今回は、そのうちの一人の方の息子さんに、わざわざ駆けつけて頂きました。実は、昨年「またお会いしましょう。」とお話ししたお父さんは、3カ月前にお亡くなりになったそうです。息子さんは、生前のお父さんから頼まれて、お父さんがPETAについて書かれた本の英語版を私に贈呈するために来られたのです。「届けたことを親族一同に伝えたい。」と仰り、一緒に写真を撮りました。悲しいことではありますが、このような友情関係を、次の世代に伝え、今以上に強化していくことが、私たちの責任だと再認識した次第です。 ![]() ![]() 海上保安庁巡視船とバカムラ他との共同訓練そして、自衛隊記念日から間もない7月9日には、海上保安庁の巡視船「つがる」が、ジャカルタに寄港しました。実は、巡視船のジャカルタ寄港は、2年ぶりですが、今回で10回に上ります。今回の寄港は、60周年を記念する、という意味もあります。東京からは、薗浦総理補佐官においでいただき、諸行事でご挨拶などを頂きました。 11日には、初めてとなる、「つがる」と、バカムラ他のインドネシア側の海上保安に関わる5つの機関との共同訓練が行われました。インドネシアでは、その所掌に応じて、複数の海上保安関係機関があり、それらを統括する機関として2014年に大統領直属のバカムラが創設されたのですが、どの国でも同じように、実際の統括・調整は容易ではありません。今回の海上保安庁の寄港により初めて実現した共同訓練を契機として、今後、一層の連携が進むことを期待していますし、日本としては、これからも支援を惜しまないつもりです。 ![]() 共同訓練の状況 2+2早期開催を目指して実は、これらの行事に先立ち、6月24日〜26日には、河野外務大臣がインドネシアを訪問し、ルトノ外務大臣と長時間の意見交換をされたのに加え、ジョコウィ大統領も表敬されました。 ルトノ外務大臣との会談の内容は多岐にわたりましたが、一つ申し上げれば、60周年の記念すべき年である今年にジョコウィ大統領の訪日実現を目指していることを念頭に、第二回外務・防衛大臣会合(2+2)の早期開催を検討することで、意見が一致しました。実は、インドネシアは、ASEAN諸国の中で日本が2+2を持つ唯一の国です。これが実現すれば、政治・安全保障の分野での二国間の協力が一層具体的な進展を見せることになると思います。皆さん、ご期待ください。 |