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在インドネシア日本国大使館
Embassy of Japan in Indonesia



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EKB62(その19);素晴らしかったアジア競技大会、そしてオリンピック?


2018年9月14日



    前回このコーナーに寄稿してから、早いもので、もうすぐ2ヶ月になります。その間、色々な行事があり、ちょっとご無沙汰していました。これから、その間にあった色々なことを、一つずつご報告していきたいと思います。

素晴らしかったアジア競技大会!


    まずはアジア競技大会です。第18回アジア競技大会は、独立記念日翌日の8月18日から9月2日まで、ジャカルタとスマトラ島のパレンバンの二都市で行われました。

    インドネシアがアジア競技大会を主催するのは、半世紀以上前の1962年第4回大会以来、二回目になります。前回大会は、インドネシアにとって、経済、社会など色々な側面で本格的な発展を始める端緒となりました。日本も、独立記念塔モナスや高級ホテルの先駆けとなるホテルインドネシア、更には最初の高級国営デパートであるサリナ・デパートの建設、最初のテレビ局の開設など、協力を惜しみませんでした。

    今やG20のメンバーとなり、押しも押されもしない重要な国際的プレーヤーであるインドネシアにとって、今回のアジア競技大会は、更に次のステージに上がっていくためのモメンタムとなるものです。インドネシアの国と国民を上げた努力で、それにふさわしい素晴らしい大会になったことは疑いがありません。インドネシア、おめでとう!

ちなみに、日本は、開会式の行われたメイン競技場であるグロラ・ブンカルノ・スタジアムのセキュリティ・システムの供与を始め、今回も色々な協力をさせて頂きました。


メダル・ラッシュ!


    半世紀以上前とは言え、第4回大会と比べると、アジア競技大会の成長は著しいものがあります。1962年には、参加国数17ヶ国、1,460名の選手が、13種類120競技で競いましたが、今回2018年は、参加国数は2倍半以上の45ヶ国に増え、8倍以上の11,720名の選手が、40種類465競技で躍動したのです。

    その中で、インドネシア選手の活躍は素晴らしかった!メダルの数だけで見ても、インドネシアは、中国、日本、韓国に次ぐ堂々第4位で、金31、銀24、銅43の計98個を獲得しました。これは、1962年の主催大会で2位であった以降は、最高位ですし(注;1970年バンコック大会でも4位)、前回2014年のインチョン大会で17位(計20個)であったことに比べれば、大躍進であることは明らかです。インドネシア、おめでとう!


心を一つに!


    それ以上に、現地に居て肌で感じたのは、インドネシアの人たちが、心を一つにして盛り上がっていたことです。スタジアムの屋根にも届く大規模な山を作った開会式。ジョコウィ大統領がバイクに乗って登場するかのごとくに演出された冒頭のシーンで、既に観客の興奮は最高潮に達しました。

   


    色々な競技会場に伺いましたが、「イ・・ンドネシア!」と繰り返される応援の声は、すごい迫力でした。ちなみに、100mX4のリレーでは、日本が1位、インドネシアが中国を押さえて2位に入りましたが、その時の会場の盛り上がりは、「もしかしたら、日本は失格で、優勝したのはインドネシア?」と思わせるほどだったそうです。「多様性の中での統一」という難しいけど必須の課題を追求するインドネシアという国の将来にとっても、素晴らしい原体験となったのだと確信します。


次に繋がる!


    もちろん、大会運営が完璧だった訳ではありません。チケットのネット販売システムがダウンしたことは、2020年東京オリンピックにとっても、大事な教訓となりました。ただ、現場のインドネシアの人たちの明るい笑顔と、何とかしようという「ひたむきさ」を見ると、こちらも応援したい、と思ってしまいました。

    前回インドネシアが主催した1962年アジア競技大会の2年後には東京オリンピック、今回も、2年後の2020年は東京オリンピックです。既に、日本とインドネシアとの間では、スポーツの面でも色々な協力が行われています。更に、次の次である2026年のアジア競技大会は、愛知・名古屋で行われることが、今回正式に決定されました。

    そして、今回飛び込んできたのは、インドネシアが2032年のオリンピックのホスト国に立候補すると言うニュースです!ともかく、スポーツを巡る交流は、まだまだ続きます。

    ちなみに、今回のアジア競技大会開会式の際に、日本選手団は、両手に日の丸とインドネシアの国旗を振りながら笑顔で入場しました。実は、自分の国の国旗だけでなく、インドネシアの国旗も持って入場したのは、今回、日本選手団と他1カ国だけだったようです。このことは、すぐさまSNSで話題になり、「やっぱり日本は友人!」というメッセージが多数発信されました。幾人かのインドネシアの友人からこの話を聞いて、私も誇らしく感じました。このような「小さいけど良い話」が、日本とインドネシアの間で、これからも沢山積み重ねられていくような関係であり続けたいと思います。