(1) | 今年は5月17日(木)より6月14日(木)頃までイスラム暦のラマダン(断食月)に入る予定です(正式には宗教省が決定・発表)。イスラム教徒にとり神聖なラマダン期間中は、平素以上にイスラム教徒の習慣に配慮し、周りの人の感情を害さないよう自らの言動に十分注意することが必要です。
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(2) | ラマダン期間中は、日頃にも増してテロへの警戒を怠らないようにしてください。現時点において、具体的なテロ情報に接している訳ではありませんが、ここ数年ラマダン期間中テロが発生しています。そのため、特にテロの標的となりやすい場所(警察関連施設、宗教関連施設(寺院、教会)、デパートや市場など不特定多数の人が集まる場所、公共交通機関、ホテルなどの宿泊施設、ビーチ等のリゾート施設・観光施設、政府・軍関連施設、欧米関連施設等)やその周辺を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど自らの安全確保に努めてください
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(3) | レバラン(断食明け大祭)の祝日は、6月15日(金)及び16日(土)ですが、インドネシア政府は同祝日の前後にあたる11日(月)~14日(木)及び18日(月)~20日(水)を、これに続く休暇取得奨励日とすることを公表しています。なお、日本大使館は6月15日(金)~18日(月)まで休館となります。
インドネシア国民は、これに加えて更に前後の1週間程度、休暇を取得し帰省することから、この時期は、多数の人々が国内外への移動により、バス、フェリー、鉄道、航空便等公共輸送機関の混雑や幹線道路の大渋滞等が見込まれます。また、一般犯罪も増加する傾向にありますので、安全対策を怠らないようご注意ください。
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(4) | レバランに先立ち、私的使用人を含めた被雇用者に対して、レバラン手当(ボーナス/THR)を支給する習慣があります。一般的に、レバラン前は諸物価が上昇することから、レバラン開始の2~4週間前に支給することが望ましいようです。なお、私的使用人も1週間から10日間程度のレバラン休暇を取るのが一般的です。
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(5) | レバラン前における公務員による検査等
過去の事例をみると、この時期、警察官や入管職員による調査・検問等で金銭を要求される等の事例が増加する傾向がみられます。
(過去事例1)入管職員によるパスポート及び身分証確認
入管職員による日本人を含む外国人に対する滞在許可等の調査(事務所に立ち入るほか、飲食店などでも実施。主にパスポートやITAS(滞在許可)などのID原本の提示を求められ、パスポートの有効期限、滞在許可期限、登録住所、会社役職などについて不正などがないか調査するもの。)が行われており、その際、身柄が拘束される事案や、パスポート取り上げ、金銭の要求などの事案が発生。
(パスポートの原本所持に関しては、以下の当館お知らせもご参照ください。)
http://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase16_25.html
| (過去事例2)警官による検問等
旅行者や出張者が空港へ向かうタクシー乗車中、警察の指示で停車させられ、ITASなどのID提示を求められ、パスポートを提示した上で、短期滞在者のためIDは所持していないと説明したが、IDの提示がなければ違法であるとして金銭を要求。航空機チェックイン時間などの時間的制約を見越して支払うまでしつこく金銭を要求してくる。
| (過去事例3)空港入管職員や税関職員による罰金の不当な徴収
(i) | 入国の際、入管職員から入国印を押されず、そのまま入国し、出国の際にトラブルになる事案が発生。多くは金銭を要求される。
| (ii) | 入国の際に、ホテル予約票等の提示を求められ、提示出来なかったところ金銭を要求された。
| (iii) | 入国する際、荷物の中に課税対象品があるとして税金の支払いを要求され、支払いは荷物ポーターを通して行わせた。
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(6) | なお、インドネシア国外への旅行を予定されている方は、パスポートの有効期間が旅行満了日まで6ヶ月以上残っているか、再入国許可の有効期限は切れていないか等を確認の上、手続が必要な場合には通常より早めに申請されることをお勧めします。
また、旅行先が日本を除くインドネシア国外のほか、国内旅行であってもインドネシア大使館の管轄外(バリ島など)である場合、「たびレジ」への登録もお忘れなきようお願いします。
たびレジ:https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/
大使館管轄区域:http://www.id.emb-japan.go.jp/conind_j.html
<入管及び警察による調査、検問への対策・注意事項>
多くの場合は適法な調査、検問であり、拒むことは困難ですが、自己防衛の観点から以下のような確認を行うことをお勧めします。ただし、相手が偽入管職員や偽警察官の場合、武装している可能性もありますので、身の安全を考慮して、決して挑発的な態度はとらないようご注意ください。
(i) | 入管職員や警察から調査・検問された際、担当係官の氏名、担当部署や白バイ・パトカーの車番などを確認する。
| (ii) | 空港出入国の際、パスポートへの出入国印の押印の有無を確認する。また、事前にパスポートの残存有効期限、査証ページ数、滞在許可の残存有効期限などを確認しておく。
| (iii) | 空港において入管や税関職員による金銭要求に対しては、領収書の発行を要求し、担当係官の氏名や部署などを確認する。 |
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