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在インドネシア日本国大使館
Embassy of Japan in Indonesia



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在インドネシア日本国大使

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在インドネシア日本国大使


11月のハイライト(インドネシアが底力を見せました)


令和4年11月30日


    今年の当地における最大のイベントであるG20サミットが成功裡に終了しました。会議運営も何とか円滑に進みましたし、また、これまでの一連のG20関連閣僚会議では合意文書の取りまとめが出来ず、全て議長声明という形だったにも拘わらず、サミットでは首脳宣言の発出に漕ぎつけました。一部に批判的な意見があることも事実ですが、こうしたインドネシアの努力は率直に評価したいと思います。因みに、エコノミスト誌は19/25日号で「Why Indonesia matters」と題するコラムを掲載して、インドネシアによるG20での対応や、その潜在性を前向きに評価しています。10年後に振り返ってみると、今回のG20の成功がインドネシアの外交や国際的な役割といった観点で分水嶺になっている可能性もあると思います。  G20は終わりましたが、今後とも日本からの来訪者が続くのは嬉しい限りです。他方、インドネシアにおけるコロナ感染者の数は着実に増えているので、皆さん、くれぐれもご注意ください。


1.今月の一枚



(22日、ヤソンナ法務・人権大臣が主催した外交団との意見交換会に出席。こうした機会を設けてもらえることはありがたいです。私の隣から、EU大使、ヤソンナ大臣、豪州大使、セーシェル大使、英国大使。)


2.G20サミット

冒頭の副題にも書きましたが、今回のG20でインドネシアは底力を発揮したと思います。インドネシアの外交当局は常々、G20サミットの成功には2つの要素があり、出来るだけ多くの首脳がサミットに参加すること、そして合意文書が採択されることが不可欠であると述べていました。今回はそのいずれの要素も満たすことが出来ましたし、実際、事後のインドネシアにおける報道振りを見ても、国全体が高揚感に溢れています。

 サミットの事前調整や運営を支援する大使館としては、大きな事件や事故が発生しなかったことに先ずはホッとしています。もちろん現場での様々な混乱はこうした大型の行事には付き物です。特に、16日の朝はポーランドへのミサイル着弾を受けてG7とNATOの緊急首脳会議が開催されたため、日程が大きく変更になりました。しかし、個々の担当者の現場力とチームワークで無事に乗り切ることが出来たのは大変嬉しいことです。来年もインドネシアがASEANの議長国となるので、多くのASEAN関連行事が見込まれますが、心して対応していきます。

3.日インドネシア首脳会談

G20サミットに先立つ14日の午後、日インドネシア首脳会談が開催されました。私も同席していましたが、全体として大変嚙み合った議論が行われた印象で、7月のジョコ大統領による訪日以降のやり取りを踏まえて、お互いにとっての共通の課題であるエネルギー移行について両国でリーダーシップを発揮していくための枠組みとして「アジア・ゼロエミッション共同体構想(AZEC)」に関する共同発表を行いました。また、今後のインドネシアの経済発展の土台になるインフラ分野においても、ブカシ自動車認証試験場、ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)、パティンバン港等について引き続き協力していくことを確認しました。

4.エネルギー移行

海洋国家であり、かつ化石燃料に依存する日本とインドネシアにとって、現実的なエネルギー移行を達成していくことは、共通かつ最大の課題の一つであり、また、現実的なエネルギー移行の必要性は多くのアジア諸国にとっても大きな課題になっています。今回、両国で発表した「AZEC」は、そうした問題意識に立って、日本とインドネシアがアジアで指導力を発揮していく決意表明でもあります。実際、日インドネシア首脳会談の中でジョコ大統領からも、来年のASEAN議長国としてインドネシアも指導力を発揮していく旨の力強い発言もありました。これはオールジャパンで取り組んでいく課題ですので、是非、皆さんのご協力もお願い致します。因みに、今回のG20に当たって住友商事や国際協力銀行(JBIC)が国営電力PLNと脱炭素化に向けての協力協定等を署名しています。

 また、今回のG20サミットの際に、日本と米国がリードを取りG7その他の国と協力して、インドネシアにおける石炭から再生可能エネルギーへの移行に向けた取組みを支援する枠組みである「公正なエネルギー移行パートナーシップ(JETP)」が合意、発表されました。更に、アジア開発銀行(ADB)が進めるエネルギー移行メカニズム(ETM)の下で、インドネシアにおける石炭火力発電所の早期閉鎖を進めることも確認されました。AZECについては、こうした様々なイニシアティブとの間で両立を図りながら、相乗効果を高めていくことが必要になります。

5.その他の活動

 3日、国際交流基金が主催する日本映画祭のオープニングに参加して、ご挨拶し、また、その後の映画も鑑賞しました。映画を観ている中で、日本人とインドネシア人との間で笑いのツボが少し違っているのも興味深かったです。

 21日、トヨタ・インドネシアが当地で製造するハイブリッドEVのローンチ・セレモニーに参加しました。バリでのG20サミットではトヨタ等から提供されたバッテリーEVが活躍していましたが、これから生産されるインドネシア製のハイブリッドEVも市場での躍進を期待します。

 23日、インドネシア日本友好議連のプティ会長をランチにお招きして、親しく懇談しながら、議連の方々との協力の強化等について意見交換しました。

 23日から24日にかけて、西ジャワ州のバンドンで開催された第11回東アジア地方政府会合に参加してご挨拶しました。この会合は今回、初めてインドネシアで開催されましたが、直前に西ジャワ州のチアンジュールで地震があり、多忙を極める中で、リドワン・カミル知事も出席し、ご挨拶されたことが印象的でした。私からも同知事に対して、直接、地震による被害に際してお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方々とその御遺族に対する心からの哀悼の意をお伝えしました。なお、日本からは奈良県の荒井知事他が参加されました。

 30日、公益財団法人のイオンワンパーセントクラブがインドネシアの学生に奨学金を給付する式典に出席して、ご挨拶しました。こうした奨学金制度を通じて、インドネシアの若い学生さんに日本に興味を持って貰うことは素晴らしいことです。改めて感謝申し上げます。


(了)




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