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在インドネシア日本国大使12月のハイライト(来年もよろしくお願いいたします!)令和4年12月28日
![]() 11月のハイライトでも触れましたが、G20サミットの成功によってインドネシアの役割が国際社会に認識されるようになったと思います。実際、13日付のファイナンシャル・タイムズ紙はインドネシアを「overlooked giant(見過ごされてきた巨人)」と表しています。G20の直後の今月に入ってからも、インドネシアは以下の3.に記載したような一連の国際会議を主催しています。来年以降、インドネシアが国際社会でどのような存在感を示していくか、また、そこに日本としてどのように協力していくのか、よく考えていきたいと思います。 カタールでのサッカー・ワールドカップにおけるサムライ・ブルーの活躍には当地でも注目が集まりました。日本の諦めない気持ちやチームプレー、選手団やサポーターの振る舞いについても、インドネシアの方々から励ましのコメントをいただき、心温まる思いです。来年にはU20のワールドカップがインドネシアで予定されている中で、こうした思いが来年に引き継がれていくことを期待しています。 1.今月の一枚
2.日インドネシア友好協会訪問団 11月30日から12月2日にかけて、福田元総理を団長とし、約40社の企業の代表が参加した日インドネシア協会の訪問団が3年振りにインドネシアを訪問し、ジョコ大統領への表敬に加えて、ルフット海洋・投資担当調整大臣やアイルランガ経済担当調整大臣との会談を行いました。一連の会合では、G20プロセスのテーマの一つでもあったエネルギー移行や、新首都の開発について意見交換が行われました。議論された点についてはしっかりとフォローアップしていきます。 3.「バリ民主主義フォーラム」と「アフガン女性教育国際会議」 8日、バリ島で開催された第15回「バリ民主主義フォーラム」と「アフガン女性教育国際会議」に参加しました。前者はユドヨノ前大統領の時代に始まった世界の民主主義の振興をテーマとする国際会議、後者はインドネシアとカタールが共催してアフガンでの女性教育を支援する方途を協議する国際会議です。日本からは私が参加して、個人的な見解も踏まえた日本としての考えを発信しました。 なお、これに先立って、6日には「群島・島嶼国閣僚会合」(注:インドネシアが主導する島嶼国が参加する国際会議)が、また、7日には「開発のためのインド太平洋フォーラム」(注:インドネシアが主導する太平洋の島嶼国が参加する国際会議)が開催され、大使館からも参加しましたが、G20の直後であるにも拘わらず、インドネシアがこうした国際的な実績を積み上げていることは素晴らしいことだと思います。 4.その他の活動 5日、スハルソ国家開発企画庁長官と既存の経済協力プロジェクトや将来の協力分野について幅広く意見交換を行いました。経済協力は日・インドネシア二国間関係の中核の一つです。インドネシア全土の均等な開発を含め、日本に寄せられた期待に応えるべくこれからも全力で取り組んでいきます。 10日、小丸交通財団・広島大学プルサダ共同プロジェクトセンターによる第7回日本語作文スピーチコンテストに出席して、冒頭にご挨拶しました。3年振りの対面式での開催でしたが、参加した皆さんには是非、日本との架け橋になっていただきたいです。 20日、本年度の外務大臣表彰を受賞したヒクマハント・インドネシア大学教授への授与式を公邸で行いました。今後とも、日本とインドネシアとの関係強化に向けて、地道な活動にもしっかりと焦点が当たるようにしていきます。 24日、日本から来訪した蕎麦打ち名人の会(於:福祉友の会のギャラリー)に参加して、ご挨拶し、打ちたての蕎麦を試食しました。個人的には蕎麦が大好きなので、ジャカルタにも蕎麦文化が根付いて欲しいものです。 5.来年に向けて 来年は、インドネシアが議長国の下で日ASEAN関係が50周年の節目を迎え、また、日本とインドネシアも外交関係65周年の年となります。国際的な課題の解決に向けて、ASEANの議長国であるインドネシアとG7の議長国である日本との連携も課題となります。 経済面で言えば、日本として貿易や投資の金額の多寡もさることながら、インドネシアが「中進国の罠」に陥らず、安定した民主主義国家として持続可能な成長を続けていく中で、双方が裨益する関係を強化していくことが引き続き重要です。幸い日系企業の取組は、雇用の創出や人材育成、輸出への貢献といった観点から高く評価されているので、今後ますます大きく変化するインドネシアと歩調を合わせて、共に成長していくことを追求していきたいと思います。では、皆さん、明年もよろしくお願いいたします。 (了)
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