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在インドネシア日本国大使9月のハイライト(沢山の出来事があり、あっという間の9月でした!)令和5年9月30日
![]() 内政面では、来月、大統領・副大統領の候補者登録が行われ、来年2月の大統領選挙がいよいよ本格化します。そうした中でも、両国関係の強化に引き続き取り組んでいきたいと思います。 1.今月の一枚
2.ASEAN関連首脳会議 5日から8日にかけて岸田総理が来訪し、ASEAN関連首脳会議に出席しました。今年、日本はインドネシアとの外交関係65周年、そしてASEANとの友好協力50周年という節目に当たることも捉えて、インドネシアとの関係及びASEANとの関係の双方が「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げされました。これまでの日本との協力関係に鑑みれば、格上げも当然のことと思いますが、インドネシアとの間では具体的な「行動計画」の策定も含めて、今まで以上に協力関係を深めていくことが確認されました。12月の日ASEAN特別首脳会議に向けても、更なる成果を生み出していきたいと思います。
3.スーパー・ガルーダシールド 9日から12日にかけて、東ジャワ州のバニュワンギを訪問し、スーパー・ガルーダシールド演習の一環として、陸上自衛隊も参加した水陸両用作戦及び共同射撃訓練を視察しました。今年の実働演習には主催国のインドネシアと米国、そして日本の陸上自衛隊(注:天候の都合により共同降下訓練が取りやめとなったため、演習参加者は当初予定の約280人から約180人となりました)に加えて、英国、シンガポール、豪、仏の計7カ国が参加し、更に12カ国がオブザーバーとして参加するなど、昨年より規模も演習内容も拡大したものとなりました。 ユド・マルゴノ国軍司令官等のインドネシア国軍関係者と現地で話す機会がありましたが、日本からの参加、そして陸上自衛隊が演習で高い能力と技術を示したことに謝意が表されました。今後ともインドネシアと歩調を合わせて、安全保障・防衛分野での協力を深化していきたいと思います。(なお、昨年8月のハイライトで日本とインドネシアとの防衛協力について詳述しましたので、ご覧ください。)
4.ALSP処理水の海洋放出 この件に関しては、インドネシア原子力規制庁(Bapeten)が8月30日付で、放出される処理水中のトリチウムの濃度を所定の制限値以下に維持することを確保できる限り、人体や環境に悪影響を与えないとの見解を表明しました。それにも拘わらず、ネットを中心に偽情報が出回ったことを受けて、8月30日にオンライン・メディアであるLiptan6のインタビューを受けると共に、4日のジャカルタ・ポスト紙に寄稿を行いました。また、誤った報道には申入れを行い、訂正・撤回を徹底しています。その後、当地における状況は落ち着いてきていますが、引き続き気を引き締めて取り組んでいきたいと思います。 インドネシア原子力規制庁の発表はこちらで確認ください。 https://www.bapeten.go.id/berita/siaran-pers-pernyataan-dan-sikap-bapeten-atas-pelepasan-air-olahan-treated-water-pltn-fukushima-daiichi-di-jepang-122552 5.対外発信 上述の通り、ALPS処理水に関連して以下のような発信を行いました。 ・Liptan6のインタビュー(https://www.liputan6.com/global/read/5384429/the-ambassador-dubes-jepang-kanasugi-kenji-klaim-limbah-nuklir-fukushima-tak-berbahaya?page=4) ・4日付ジャカルタ・ポスト紙への寄稿(https://www.thejakartapost.com/opinion/2023/09/04/no-problem-with-the-safety-of-seafood-caught-in-japan.html ) 19日、コンパス紙に「天皇陛下の写真撮影」と題するインタビュー記事が掲載されました。これは先方からのインタビューに応えて、6月の天皇陛下のよるボロブドゥール寺院御訪問の際、何故、私が天皇陛下の写真を撮影するに至ったのかを述べたものです。 22日、オンライン・メディアであるDetik.comのアルフィト編集長他を公邸に招待して懇談しました。ジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)の黒川運営委員長とJICAの安井所長にも参加いただきました。こうした非公式な意見交換を今後ともしっかりと続けていきます。(Detik.comの編集部の面々と。私の左隣がアルフィト編集長です。)
6.その他の活動 1日、JETROと共催したファストトラック・ピッチのイベントでご挨拶すると共に、公邸に参加者の皆さんをお迎えして、レセプションを開催しました。このイベントは、日本企業・スタートアップの海外でのオープンイノベーションを加速するため、ASEAN広域の取組として開始され、4月にシンガポール、8月にバンコクで開催されており、更に11月にハノイで開催予定です。 14日、インドネシア商工会議所(KADIN)とJJCの関係者を招いて公邸で意見交換を行いました。兼ねてからこうした場を設けたいと思っていたのですが、漸く実現できて良かったです。 15日、ジャカルタ日本人学校(JJS)とチカラン日本人学校(CJS)の中学部3年生の皆さんが大使館を訪問してくれました。私からは外務省入省へと進んだ経験談などをお話ししました。生徒の皆さん、将来に向けて是非、頑張ってください。 18日、トリサクティ大学・秋田大学共同研究室開設式が開催され、私も式典に参加してご挨拶しました。日本とインドネシアの大学間で、この規模の連携が図られるのは初めてなので、これを契機に両国間の大学交流が更に進むことを期待します。 20日、「日本-インドネシア地方行政セミナー」の開会式に出席して、ご挨拶しました。日本の地方自治の制度をアジア諸国に紹介する取組で、インドネシアでは3回目の開催となりました。現場でティト内務大臣とも久し振りにお目にかかって話が出来て良かったです。 21日、第29回、アジア太平洋地域宇宙機関フォーラムのレセプションに出席して、ご挨拶しました。このフォーラムは、1993年に日本が設置を提案したことを契機に、アジア太平洋地域の宇宙関連機関が一堂に会することになったもので、今回はインドネシアがホストを務めてくれました。地道な取組ですが、関係者のネットワークの場として大変意義深いと感じました。 25日、JJCの個人部会が開催した日本人納骨堂での慰霊祭、そしてプラサスティ公園にある墓碑への焼香に出席しました。 27日、クントロ・マンクスブロト元アチェ・ニアス復興庁長官への叙勲伝達式を行いました。クントロ元長官は、スマトラ島沖地震や東日本大震災後の被災地の復旧・復興において日本との関係で大きく貢献されたことから、令和5年春の叙勲で「旭日重光章」を受賞されました。
(了)
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