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在インドネシア日本国大使館
Embassy of Japan in Indonesia



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エネルギー移行を主導し、投資機会の増大へ

(コンパス紙、3月20日)



    先日、エネルギー・鉱物資源省で開催された炭素取引開始式典に出席し、アリフィン・エネルギー鉱物資源大臣とともにインドネシアの炭素取引の将来を思い描いた。皆さんは、炭素取引と聞いても遠い出来事と感じるかもしれないが、気候変動、エネルギー移行において重要な役割を果たしている注目の分野である。私は、アリフィン大臣と話ながら、改めて、日本とインドネシアは、この分野で協力する潜在性が高いと確信した。なぜ、両国が協力すべきなのか。

気候変動対策とエネルギー政策は車輪の前輪後輪であり、切っても切り離せない。世界は、コロナ禍やウクライナ侵攻を経験し、ここ数年は、エネルギー安全保障の重要性が一層際立った。脱炭素化に向けて、グレー電源(化石燃料(特に石炭))をグリーン電源(再エネ)に一足飛びに転換することは難しい。それ故,安定的な電源を確保しつつ、段階的なエネルギー移行が求められている。

気候変動対策とエネルギー政策を両立させつつ、更には経済成長を目指す姿勢が今後の国の舵取りに求められるだろう。実際、開発が進む新首都「ヌサンタラ」についても、インドネシア政府は再エネ電源を重視し、先日もスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務大臣が日本を訪問し、再エネ電源への投資機会をアピールした。世界的にも、気候変動対策は取り組まなければならない課題であり、グリーン分野は大きな投資機会である。

3月4日、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)閣僚会合が東京で開催された。これは、昨年11月の日本とインドネシアによる共同発表に続くもので、今回は、日本、ASEAN諸国、オーストラリアの閣僚級が対面で参加した。地域の経済発展を損なうことなく、ネットゼロの目標に向けて、エネルギー移行のプロセスを強力に進めることの重要性を確認し、共同声明が発出されるとともに、日本からは、今後、水素サプライチェーンを構築することや、ファイナンス支援の具体策が紹介された。同時に開催された官民投資フォーラムでは、合計28件の合意文書(MOU)-インドネシア関係は内12件-が発表され、官民を挙げて、取組を強力に推進していくことが確認された。

今年は、インドネシアがASEAN議長国、日本がG7議長国である。両国が連携して、地域のエネルギー移行をリードし、同時に、欧米を含めた世界に取組を発信しつつ、様々な支援策と連携しながら、グリーン分野に世界中の投資を集めることで、カーボンニュートラルと経済成長を共に追求していきたい。



金杉憲治
駐インドネシア大使


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