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EKB62(その7):独立記念日と日本2017年8月30日 独立記念日と日本![]() 独立宣言は、1945年8月17日の朝、初代大統領となるスカルノの中央ジャカルタにあった邸宅で読み上げられましたが、8月15日の第二次世界大戦終戦から、この独立宣言発表に至る間は、正に、激動の3日間でした。その中でも、8月16日の深夜から17日未明まで、「独立準備委員会」の独立宣言についての打ち合わせが行われたのが、戦時中ジャカルタ海軍武官府代表であった前田海軍少将の中央ジャカルタにある公邸だったことは、関係者の間では良く知られています。 ![]() その前田少将の公邸は、今も保存され、独立宣言起草博物館として、一般に公開されています。現在日本大使館があるタムリン通り24番から東南に約1.5kmと、歩いてでも行けるところに、この博物館はあります。そして、そこから更に東に約1.5km行ったところに、独立宣言が読み上げられたスカルノの邸宅がありました。今も、コロニアル風の上品な大邸宅が多く立ち並ぶ、このメンテン地区で、独立国インドネシアの誕生を巡って、色々なドラマが繰り広げられたことを想像するに、その72年後の今日の高層ビルが立ち並ぶジャカルタの発展ぶりは、奇跡的なことのように思えます。 「国政演説」新スタイル![]() 大統領の演説は、「多様性の中の統一」という、インドネシアの国是を色濃く反映したものでした。そこで強調されたのは、経済発展を、各地方を通じて出来るだけ公平に行うことです。インドネシアのように東西に5000km以上広がる国では、例えば、ガソリンやセメントなどの基礎的な物資についても、放っておけば、地方間に10倍もの価格差が生じてしまいますが、ジョコウィ政権は、これを一つの価格にすることを実現しました。大統領は、演説の中で、この点も含む各施策を説明して、今後も、経済の公平化に努めることを約束しました。 同時に、インドネシアは多様性の国です。各地方に独自の民族や文化、そして伝統的にはそれぞれの言語があり、このような多様性を尊重していくことは、国の統一を維持していく上で、もう一つの重要な要素です。また、この多様性の尊重は、異なる宗教に対する寛容を守っていく上でも、大事なキーワードです。大統領は、この点についても、演説の中で強調しました。 ちなみに、ジョコウィ大統領の国会演説は、2014年の就任から3回目になりますが、過去の2回は、スーツにネクタイ姿だったのが、今回初めて、カッラ副大統領と共に、インドネシアの民族衣装に身を包んで登場しました。更に面白かったのは、ジョコウィ大統領がカッラ副大統領出身地であるスラウェシの伝統的衣装を、カッラ副大統領がジョコウィ大統領出身地であるジャワの伝統的衣装を着ていたことです。両者の親密さを印象づけるこの演出は、議場でも喝采を呼んでいました。 72周年のスローガンは?独立記念日が近づくと、ジャカルタでは、「メラプティ」と呼ばれる赤と白のインドネシア国旗や同じく赤白の垂れ幕などがあちこちで飾られます。また、72周年を記念した幟も多く見られます。 実は、その幟には72周年のスローガンが書いてあるのですが、それは、何と!「共に働く(Kerja Bersama)」だったのです。もちろん、「共に働く」は、インドネシアではポピュラーなスローガンで、日本大使館の専売特許ではありませんが、それにしても、これを最初に見たときは、少し嬉しくなりました。 前回のこのコーナーで申し上げたように、大使館のスローガンは、現在では「共に働き、共に栄える(Kerja Bersama, Maju Bersama)」に進化を遂げています。インドネシアの73周年のスローガンがこれと同じになったら、本当に良いですね! |