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EKB62(その13)2018年はどんな年?2018年1月26日 遂に、日インドネシア国交樹立60周年の記念すべき年、2018年の幕開けです。皆さん、本年もどうぞよろしくお願いします。さて、その2018年は、どのような年になるのでしょうか。以下、思いつくままに述べたいと思います。 政治の季節が本格化;慎重な舵取りが必要第一に、2018年にインドネシアは政治の季節を迎えます。 次の大統領選挙は、来年2019年4月17日で、まだ今から1年以上あるように見えますが、実は、今年6月27日には、その前哨戦となる重要な統一地方首長選挙が行われます。これは、全34州の半分である17州の州知事選挙を含む大規模なもので、ここから大統領選挙に向けた政治の季節は実質的にスタートする、と言っても過言では無いでしょう。既に主要政党が押す正副知事候補は確定しており、2月15日には、統一地方首長選挙のキャンペーンが始まります。 大統領選挙についても、今年の内に色々なことが起こります。8月4日〜10日に、正副大統領候補者の登録が行われ、9月20日には候補者が確定、9月23日からは、同時に行われる議会総選挙を含めた7ヶ月弱に渡るキャンペーンの幕が切って落とされるのです。 どこの国でもそうですが、インドネシアでも、選挙キャンペーン中は、色々な政治的な駆け引きが行われるであろうことは想像に難くありません。本来は小さなことが政治的に大きく取り上げられることもあるでしょう。そのような中で、色々な物事を進めていく上では、いつも以上に慎重な舵取りが必要とされると思います。 インドネシアにとって象徴的に重要な年;新時代の幕開けとなるか?![]() まず、8月18日〜9月2日に、インドネシアは、ジャカルタとパレンバンでアジア競技大会を主催します。実は、アジア競技大会をインドネシアが主催するのは、これが2回目。第一回目は1962年です。1945年の独立宣言から1949年一杯独立戦争を戦ったインドネシアにとっては、このアジア競技大会の主催は、国の威信をかけたもので、その後発展に向けて大きく羽ばたく、という希望を込めたイベントでもありました。1958年に国交を樹立した日本は、初めての本格的な宿泊施設となったホテル・インドネシアや独立記念塔などの建設を通じて、インドネシアの大会成功を支援しました。 そして、その56年後の今年、インドネシアは二度目のアジア競技大会を主催します。今や、ジャカルタ中心部には高層ビルが建ち並び、未だ渋滞がひどいとは言え、幹線道路の整備なども格段に進んでいます。インドネシアとしては、このアジア競技大会を節目として、国の発展を新たな段階に押し上げていくことを目指しています。なお、今回のメインスタジアムとなるグロラ・ブンカルノ競技場には、日本政府の無償資金協力で、顔認証などのセキュリティ・システムが配備されます。また、大会開催中に、日本が建設しているMRTの一部試験走行が行われる予定です。 ちなみに、前回インドネシアがアジア競技大会を主催した1962年の2年後には、東京オリンピックが開催されましたが、今回も、同じく2年後の2020年には、再び東京でオリンピックが開催されます。日本にとっても、このオリンピックが新時代の幕開けになれば素晴らしいことだと思います。 象徴的なイベントをもう一つ。インドネシアは、10月12日〜14日、IMF世銀総会をバリで開催します。1997年のアジア通貨危機の際に、インドネシアは、世銀やIMF等から支援を受けましたが、それに際して色々な苦労もしました。当時のスハルト大統領がカムドゥシュIMF専務理事に頭を下げているように見える写真が配信され、その後の退陣の遠因の一つとなったとも言われます。 そのインドネシアも、今や、G20の一員であり、国際社会において押しも押されもしない重要なプレーヤーになっています。インドネシアにとっては、このIMF世銀総会は、正に新時代の幕開けを感じさせる重要なイベントで有り、その成功を大いに重視しているのです。総会開催経験のある日本は、色々な面でインドネシアを支援していく予定です。 日インドネシア国交樹立60周年;夢も課題も![]() ![]() 最後になりましたが、2018年は、日インドネシア国交樹立60周年の記念すべき年です。1月19日には、ファタヒラ広場でプロジェクション・マッピングを含めた開会プレイベントが行われ、20日には、元ホテル・インドネシアであるケンピンスキー・ホテルで、開会式を挙行しました。日本からは、安倍総理特使である二階自民党幹事長他、多くの国会議員の方にお出で頂き、素晴らしいスタートが切れました。開会式には、カッラ副大統領ご夫妻、更には、多くのインドネシア政府の閣僚の方々にご参加頂きました。ここに、改めて皆さんのご支援に感謝したいと思います。 ![]() 一方、最近JBICが発表した日本製造業企業へのアンケートによれば、インドネシアは、中期的有望国としては、前年のインド、中国に次ぐ3位から、ベトナム、タイに抜かれ5位に転落しました。これは、世銀のビジネス環境ランキングで、インドネシアが、従来の120番台から70番台に飛躍したのとは全く反対です。両国間の関係を一段上のレベルに上げていくためには、当然多くの課題も存在します。この60周年は、そのような課題を直視し、一つ一つ解決していくための機会にもしたいと思います。 2018年が素晴らしい年になりますように、皆様の引き続きのご支援を、是非宜しくお願いします! |