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EKB62(その16)カリマンタン初上陸2018年4月27日 カリマンタン初上陸少し前になりますが、4月7日〜12日、家内と共に、東カリマンタン州を公式訪問してきました。 東カリマンタン州は、ジャカルタが存在するジャワ島の北に位置するカリマンタン島の東部にあります。カリマンタン島は、世界第三位の大きさの島。北部はマレーシアとブルネイですが、残りの約75%はインドネシア領で、インドネシアの中でも最大の広さの島、そして、それだけでも日本の約1.5倍の大きさです。一方、人口は1400万人弱で、ちょうど東京都と同じ程度です。 私は、ブルネイには行ったことがあるのですが、インドネシア領カリマンタン島を訪れるのは今回が初めてでした。カリマンタン島は、山岳地帯も多く、古くからの芳醇な熱帯樹林があり、オランウータンを初めとした多様な生物が生息しています。今回、関係者のご招待で、オランウータン保護センターを見る機会もありましたが、それについては、また次回、このコーナーでお話をしたいと思います。 東カリマンタンと日本との関わりインドネシア領カリマンタンには、5つの州がありますが、中でも東カリマンタンは、最大の広さで、350万人程度の人口を擁します。エネルギーや鉱物資源に豊富で、交通の要所である第二の都市バリクパパンでは、19世紀末には地下油田の開発が進められ、今日では、石油・天然ガスの供給基地になっています。 ![]() 今回の訪問では、現地に駐在する日本人の方にご案内頂いて、バリクパパンの海岸沿いに建つ南方方面戦没者慰霊碑を訪ねてきました。最初に日本軍が上陸した場所に建つこの慰霊碑は、現在は、インドネシアの方が綺麗に維持しておられます。そこにある芳名帳に、それなりに頻繁に訪れる日本人の方々の署名を見て、両国の間に存在する色々な歴史の積み重ねを改めて感じました。 インドネシア経済を支える!![]() インドネシアは、近年は産出量が落ちてきたとはいえ、引き続き、世界の10指に入る天然ガスの輸出国です。数多くの天然資源産出国であるインドネシアでは、最近は、資源をそのまま輸出するのではなく、加工し付加価値を付けてから輸出するという方針を立てています。 ![]() KMIは1991年に設立され、1998年のメタノール生産開始から今年で20周年を迎えます。生産量は年間66万トン程度。内、50%は東南アジアや中国等への輸出にあてられ、残り50%は、国内需要に回ります。また、インドネシアでは、家庭用燃料としてLPG需要は今後も伸びることが予想されますが、その太宗を輸入に頼っています。メタノールはLPGの代替となるDME(ジメチルエーテル)としても活用することができるため、20年前からインドネシアの資源に付加価値を付けることに取り組んできたKMIの努力がこの国にとってどれだけ重要かが良く分かります。 PTバダックLNG基地も、同様に重要です。そこで生産されるLNGは、その太宗が、日本、台湾、韓国等に輸出され、多くの外貨を生み出しています。一方、輸出の国内需要への対応のバランスをいかに取っていくのかは、ここでも重要な課題です。特に今後インドネシア国内で増大するLNG需要にどう対応するのかは、今後、頭の痛い課題になっていく由です。 ちなみに、この二つのプラントで働いている人たちは、その殆んどがインドネシアの人々です。しかし、ジャカルタから出張ベースで訪れる日本人スタッフとのチームワークは完璧なように見えました。何より、現場の皆さんも含めて、笑顔が絶えない職場を拝見し、非常に心強く思った次第です。 現地で頑張る日本人![]() やはり、ジャカルタは、インドネシアの中で、重要ではありますが一部に過ぎません。34州津々浦々に出来るだけお邪魔し、現地の方々に触れる機会を今後も持ちたいという決意を新たにした訪問でした。 最後におまけ。久々に伺った地方のバティックをゲットしました。東カリマンタンでは、海にちなんだモティーフが多いようです。写真の中でヒトデのような形をしているのは、この地域特有のイカの文様だそうです。 ![]() ![]() |