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在インドネシア日本国大使館
Embassy of Japan in Indonesia



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EKB62(その21);Life Goes on!;スラウェシ地震とアジアパラ競技大会


2018年10月8日


スラウェシ地震


    7月末から8月初めにかけて、インドネシア東部のロンボク島でマグニチュード6台後半の地震が相次いで起こり、多数の貴重な命が奪われ、多くの人が避難を強いられています。その復旧のための懸命な努力が行われているその最中である9月28日に、今度は、スラウェシ島の中部でマグニチュード7.5の地震が起きました。地震そのものに加えて、その結果引き起こされた津波は、震源近くの中部スラウェシ州の州都であるパルや、ドンガラ県、シギ県で多くの被害を引き起こしました。10月8日の時点で、死者は既に1,900人を超え、7万人以上が避難生活を余儀なくされています。
   

    この悲惨な事態を受けて、世界の多くの国から、お悔やみの言葉と共に、支援の手が差し伸べられています。日本からは、天皇陛下、安倍総理からジョコウィ大統領にお悔やみのメッセージが届けられました。その中で総理は、日本政府はあらゆる可能な支援を惜しまないことを表明しました。日本政府と日本国民は、この困難な時に、インドネシアと共あります。インドネシアは日本の友人です。日本は、「必要な時の友人」になりたいと心から願っています。

支援は早く!


    10月1日にインドネシア政府から国際社会へ支援の要請があったことを受け、日本の各方面の関係者は、早速調整に動きました。

    10月3日には、政府は自衛隊のC-130-H輸送機派遣を決定し、4日には、先遣隊が輸送ハブとなるカリマンタン島のバリクパパン入り。C-130H輸送機と約50人の自衛隊本隊人員は、5日早朝にバリクパパンに到着し、翌6日には、被災地のパルまで、最初の輸送業務を行いました。その様子は、当地のテレビで放送され、国際的な輸送支援への期待がひしひしと感じられました。

    一方、JICAは、シンガポールに集積してある緊急支援物資の内、インドネシア側から要請があったものを5日にはバリクパパンに輸送。8トン以上に及ぶその物資は、既述の自衛隊C-130Hの最初のフライトでパルに無事届けられました。内容は、テント500張、発電機80機、浄水器20台、凝集剤2万個他で、総額は約30億ルピア(約2,230万円)に及びます。

    また、現地では、既にいくつかの日本のNGOの方々が、貴重な貢献をしておられます。

    更に、インドネシアで活動する日本企業の方々も、支援に動きました。10月8日時点で30社以上の会社が、総額約100億ルピア(約7,400万円)の募金を届けていますし、他にも、各社の特徴を生かした物資や輸送などの支援が行われています。私は、これは、とても素晴らしいことだと思います。

    このように、日本の支援は、人、モノ、資金の全てをカバーする包括的(comprehensive)なものですし、政府・JICA、NGO、民間企業の全てが貢献する、オールジャパン(all-Japan)の努力です。

    ただ、現在は未だ緊急支援の段階ですが、今後の中長期的なニーズに対する支援も忘れてはいけません。支援は、複数の局面に対するもの(multi- dimensional)である必要があります。日本はこの分野の経験を活かし、強靱なインドネシア(Tangguh Indonesia)を目指した復興を考えていきたいと思っています。地元のコミュニティ再建、更に、その中で、地震に強い街づくりを行うことが重要です。日本は、色々なノーハウを持っており、これを生かして、早い段階からインドネシアと一緒に、具体的な対策を考えていきます。

Life goes on! アジアパラ競技大会


    悲しい話をしましたが、その一方で、10月6日にはアジアパラ競技大会が、一週間の予定で、ジャカルタで始まりました。6日夜には、約1か月前にアジア競技大会の開会式が行われたのと同じグロラ・ブンカルノ・スタジアムで、盛大な開会イベントが行われ、ジョコウィ大統領、カッラ副大統領他のインドネシア政府要人や、各国の関係者などが出席しました。

     


    アジア競技大会では、バイクに乗って登場という演出だったジョコウィ大統領は、今回は、ステージ上の車椅子に乗った少女から手を振って誘われて、メインスタンドからステージまで歩いて下りてきて、一緒にアーチェリーの弓を引きました。ステージの上には、D-I-S-A-B-I-L-I-T-Yの10文字が並べられていたのですが、少女、ジョコウィ大統領と、もう一人のアーチェリー選手の3人が最初の3文字に対して弓を引くと、D-I-Sの三文字が崩壊して、ABILITYが金色に輝く、という素晴らしい演出です。ステージからスタンドに戻る最中に、自然発生的に起こった「ジョコウィ!ジョコウィ!」の大合唱。これには、大統領も笑顔で手を振って応えていました。参加者の数も構築物の大きさも、アジア競技大会に比べれば小規模でしたが、私には、このアジアパラ競技大会の開会式の方が、心に残ったような気がします。

    開会式の最中にも、ロンボク、スラウェシの地震の被災に対して、黙祷がささげられました。でも、Life goes on! 私たちは、地震に打ちひしがれて立ち止まってはいられません。一つ一つ、必要なことを支援し、一個一個、問題を解決して、一歩一歩、前に進んでいくしかないのです。その過程で、日本は、常にインドネシアと共にありたいと思います。
頑張れ!インドネシア!