お知らせ総06第15号(平成18年9月1日)
インドネシアにおける鳥インフルエンザの人への感染について
在ジャカルタ日本国総領事館
1.感染状況。
インドネシア国内における鳥インフルエンザの感染状況は、8月末現在で鳥から鳥への感染については28州(207県)に及んでいます。インドネシア国内における鳥から人への感染については、WHO(世界保健機関)により確認された確定例が60例、このうち46例(今年に入ってから30例)が死に至っています。今年5月に北スマトラ州において発生した家族(親族を含む)8名の鳥インフルエンザによる集団感染例(うち7名死亡)は、ある家族内での限定的な感染であったこともあり、新型インフルエンザの発生とは認定されていないものの、ウイルスの遺伝子配列の同定を行った上で「人から人への感染」が確認された世界で最初のケースとなっています。このように、インドネシアにおける鳥インフルエンザの感染は未だ拡大を続けており、引き続き注意が必要です。
2.予防対策
鳥インフルエンザに対する予防対策については、従来から当館からの「お知らせ」により、鳥や家禽類に近寄らない等の注意事項についてお知らせしているところですが、今後とも以下の諸点について一層注意を払う必要があると思われますので、留意願います。
(1)  | 通常のインフルエンザ・ワクチンを定期的に接種すると共に、発熱、頭痛等の
症状がみられる場合は、早めに信頼のおける医療機関で診察を受けてください。 |
(2)  | 人の多く集まる場所にはできるだけ近づかないようにしてください。 |
(3)  | マスク等の準備及び必要に応じた着用を心掛けてください。 |
(4)  | 感染予防のためには、職場におけるインドネシア人職員、家庭における家事補助者、運転手等についても、同様の予防対策を取っていただくことが重要です。在インドネシア日本大使館ホームページには、予防のための注意事項のインドネシア語版を掲載していますので、活用ください。 |
3.今後の心構え
   今後、人から人への感染が拡大するような状況になる可能性があり、その場合には
短期間のうちに世界的に感染が広がるおそれがあると指摘する専門家もいます。人か
ら人への感染が拡大すれば、交通手段が大幅に制限されるなど、社会的に大きな影響
が及ぶおそれもあります。皆様方におかれては、そのような状況に備え、以下の諸点
を参考として、万一の時の際の心構えを持ち、今後の対応を検討しておいて頂くよう
お願いします。
(1)  | 当国における鳥インフルエンザ患者の治療体制 当国では、鳥インフルエンザの感染ないし感染の疑いが確認された場合は、政府による指定病院(現時点でのジャカルタ市内の指定病院は、スリアンティ・サロソ病院とプルサハバタン病院の2か所)に収容され、治療を受けることとなっています。 |
(2)  | 鳥インフルエンザに対する治療の現状 |
  | (イ) | 人から人へ感染する新型インフルエンザが発生した場合、効果的な予防のためのワクチンは現存していないと考えられており、また、新型インフルエンザに対応するワクチンの開発には相当な時間がかかるといわれています。 |
  | (ロ) | 既存の一般的なインフルエンザの治療薬として処方される「タミフル」は、現存の治療薬としては最も効果が高いと考えられています。当国においては、「タミフル」は政府が一元管理することになっているため、一般市場での入手は困難な状況にあります(ただし、現在、当国政府による全国の指定病院には政府備蓄分から一定量について供給されています)。 |
(3)  | 航空機等の交通機関 当国で人から人への感染が発生した場合、世界への蔓延を防ぐため、人の移動及び物資の流通が制限される可能性があり、場合によっては、航空機等の運航が停止する可能性があります。 |
(4)  | 生活物資 物資の流通の制限により、生活物資の入手に支障をきたすおそれがあります。 |
(5)  | 出入国の制限 いずれの国も水際での防疫体制を強化することから、出入国が厳しく制限される可能性があります。(日本においても、防疫上の措置がとられますが、邦人に対し帰国自体を制限することはありません。) |
(6)  | 出入国の準備 |
  | (イ) | いつでも航空券が購入できるよう、米ドル等現金を準備しておくことをおすす
めします。 |
  | (ロ) | 当国の滞在査証及び再入国許可等が失効していないかの確認、必要に応じて更新等の手配を準備しておくことをおすすめします。 |
(7)  | 日本人学校 感染予防及び感染拡大防止のため、日本人学校が一時休校等の措置を取る可能性があります。 |
なお、在インドネシア日本大使館ホームページにおいて、鳥インフルエンザに関する情報提供
を行っていますので、以下のホームページと併せ適宜活用ください。
●  厚生労働省ホームページ:鳥インフルエンザ関連情報
     (アドレス:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/index.html)
●  厚生労働省ホームページ:新型インフルエンザ関連情報
     (アドレス:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html)
●  検疫所ホームページ(アドレス:http://www.forth.go.jp)
●  感染症情報センターホームページ:
     「インフルエンザパンデミックQ&A」、WHO発表リポートの和訳文 他
     (アドレス:http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/index.html)
●  WHOホームページ:鳥インフルエンザ発生最新情報他(英語)
     (アドレス:http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/index.html)
●  海外勤務健康管理センターホームページ:
     「海外派遣企業での新型インフルエンザ対策ガイドライン」
     (アドレス:http://www.johac.rofuku.go.jp/news/060130html)
以上
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