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お知らせ総09第55号(平成21年12月22日)
感染症広域情報の発出
在ジャカルタ日本国総領事館
◆ 感染症広域情報の発出(年末年始に海外に渡航される皆様へ)
12月22日付、外務省より感染症広域情報(年末年始に海外に渡航される皆様へ(海外で注意すべき感染症について))が以下の通り発出されましたので、お知らせ致します。
年末年始の期間には、多くの方が海外へ渡航されることと思いますが、健康で安全に旅行し、無事に帰国するために、現在、海外で注意すべき感染症及びその予防対策について、以下のとおりお知らせいたします。 感染症にかからないようにするためには、感染症に対する正しい知識と予防方法を身につけることが重要です。基本的な感染症対策として、食べ物、飲料水、虫刺され(蚊やダニなど)、動物との接触には注意が必要です。 海外渡航を予定されている方は、出発前に旅行プランに合わせ、渡航先での感染症の発生状況に関する最新の情報を入手し、適切な感染予防に心がけてください。 また、日本の空港や港の検疫所では健康相談を行っています。帰国時に発熱や下痢等、具合が悪い場合にはお気軽に検疫所係官にご相談ください。 感染症には潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が長いものもあり(数日から1週間以上)、帰国後しばらく経過してから具合が悪くなることがあります。その際は早急に医療機関で受診し、渡航先、滞在期間、動物との接触の有無などについて必ず申し出てください。
2. | 動物由来感染症
犬、サル、げっ歯類(注)、鳥類をはじめとする動物との接触によって人が感染する病気です。 (注:哺乳類に属する動物の分類群で、マウス、ラット、リスなど、ネズミの仲間)
(1) |
鳥インフルエンザ(H5N1)
H5N1亜型インフルエンザウイルスを病原体とする鳥インフルエンザ(H5N1)は、東南アジアを中心に家きん(ニワトリ、アヒルなど)での発生が報告されています。鳥インフルエンザは、感染した鳥の解体調理、飼育小屋などの閉鎖的な空間における感染した鳥との接触など、鳥の臓器、体液、糞などと濃厚に接触することによってまれに人が感染することがあります。人が感染した場合には、重篤な症状となることが多く、世界保健機関(WHO)によると、2003年11月から2009年12月11日までに世界15か国で445人の発症者(うち死亡者263人)が報告されています。
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(2) | 狂犬病
狂犬病は、感染動物(主として犬)に咬まれることよって唾液からウイルスに感染します。長い潜伏期の後に発症すると、有効な治療法は無く、ほぼ100%死亡します。世界における死者数は毎年5万5千人といわれています。感染後、直ちに狂犬病ワクチンを接種することにより発症を防げます。
我が国では、海外で犬に咬まれ帰国後に発症し死亡した事例が2006年に2例報告されています。
○ | 発生地域:世界のほとんどの地域。特にアジア、アフリカ(発生がない地域は、英国、北欧、豪州、台湾、ハワイ、グアムなど一部)。 |
○ | 感染要因:動物(特に犬が多いですが、ネコ、アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリ等からの感染も見られます。)からの咬傷など。 |
○ | 主な症状:1〜3か月の潜伏期間の後、発熱、咬まれた場所の知覚異常、恐水・恐風症状等の神経症状。 |
○ | 感染予防:動物(特に犬)との接触を避ける。もしも犬などから咬傷を受けた場合は、速やかに医療機関を受診し、消毒、暴露後ワクチンの接種などを受ける。
感染が疑われた後、直ちに傷口を消毒し、速やかに暴露後ワクチン接種を開始することにより狂犬病の発症を防ぐことができます。万一、犬などの動物に咬まれた場合は、すぐに傷口を石けんと水でよく洗い、できるだけ早く現地の医療機関を受診し、傷口の消毒や必要に応じて狂犬病のワクチンの接種を受けましょう。 |
○ | 2008年11月、インドネシアのバリ島で狂犬病に感染した犬が確認され、犬に噛まれたとされる住民数人が狂犬病で死亡したと報告されていますので、御注意ください。 |
○ | 参考情報:
厚生労働省「狂犬病について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/index.html |
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(3) | エボラ出血熱
我が国では感染症法で一類感染症、検疫法で検疫感染症として規定されています。
○ | 発生地域:アフリカ(中央部〜西部) |
○ | 感染要因:ウイルスの自然宿主はコウモリです。感染したサルなどの血液、分泌物、排泄物、唾液などとの接触でも感染する可能性はあります。 |
○ | 主な症状:2〜21日の潜伏期ののち、発熱、頭痛、下痢、筋肉痛、吐血、下血など。インフルエンザ、チフス、赤痢等と似た症状を示します。 |
○ | 感染予防:流行地への旅行を避ける。野生動物との接触に注意する。コウモリが生息する可能性のある洞窟には立ち入らないよう注意する。 |
2008年12月、フィリピンの養豚農場でエボラウイルスに感染した豚が発見された旨報告されています。 その際に検出されたウイルスは人への病原性を示した報告がないタイプですが、念のため養豚農場にむやみに立ち入らないようにしてください。 |
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(4) | マールブルグ熱
我が国では感染症法で一類感染症、検疫法で検疫感染症として規定されています。
○ | 発生地域:アフリカ(中央部〜南部) |
○ | 感染経路:感染したサルなどの血液、分泌物、排泄物、唾液などとの接触により感染する例が多い。ウイルスの自然宿主はコウモリであり、人から人への感染の多くは感染 防御具(手袋・マスク)の不備によるものです。 |
○ | 主な症状:3〜10日の潜伏期ののち、初期には発熱、頭痛、悪寒、下痢、筋肉痛など。その後体表に斑状発疹、嘔吐、腹痛、下痢、出血傾向。 |
○ | 感染予防:流行地への旅行を避ける。野生動物との接触に注意する。コウモリが生息する可能性のある洞窟には立ち入らないよう注意する。 |
2008年7月、ウガンダの洞窟ツアーに参加したオランダ人旅行者が感染して重症となるケースが発生しました。 |
○ | 参考情報:
厚生労働省「マールブルグ病に関する海外渡航者への注意喚起について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou25/index.html |
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3. | 蚊などを介して感染する感染症
    渡航先(国・地域)や渡航先での活動によって、感染する可能性のある感染症は大きく異なりますが、世界的に蚊が媒介する感染症が多く報告されています。特に熱帯・亜熱帯地域ではマラリア、デング熱、チクングニヤ熱などに注意が必要となります。 |
(1) |
マラリア
毎年世界中で約2億5000万人以上の患者、80万人以上の死亡者がいると報告されています。我が国では、海外で感染して帰国される方(輸入症例)が毎年数十人報告されています。
○ | 発生地域:アジア、中南米、アフリカなど熱帯・亜熱帯地域に広く分布 |
○ | 感染経路:マラリア原虫を保有した蚊に刺された際に感染します。媒介蚊であるハマダラカは森林地帯を中心に夕方から夜間に出没する傾向があります。また、アフリカや インドでは、都市型のマラリアも報告されています。 |
○ | 主な症状:病原原虫の種類により10日〜30日の潜伏期ののち、悪寒、発熱、顔面紅潮、呼吸切迫、結膜充血、嘔吐、頭痛、筋肉痛など。迅速かつ適切に対処しなければ重症 化し死亡する危険があります。 |
○ | 感染予防:長袖、長ズボンを着用し、素足でのサンダル履き等は避ける。虫除けスプレーや蚊帳等の使 用により、蚊に刺されないよう注意する。特に夜間の屋外での飲食 時や外出時に蚊に刺されないよう注意してください。2週間以上流行値に滞在し、野外作 業等に従事する場合には、抗マラリア薬の予防内服を行うことが望ましい。 |
○ | 参考情報:
厚生労働省検疫所「マラリア」
http://www.forth.go.jp/tourist/kansen/07_mala.html
国立感染症研究所感染症情報センター「疾患別情報:マラリア」
http://idsc.nih.go.jp/disease/malaria/index.html |
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(2) | デング熱、デング出血熱
世界中で25億人が感染するリスクがあり、毎年約5,000万人の患者が報告されています。
我が国では、海外で感染して帰国される方が毎年数十人報告されていますが、2008年は100人を超え、増加傾向となっていますので注意が必要です。
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(3) | チクングニヤ熱
東南アジアや南アジアの国々で流行しており、2006年にはインドで約140万人の感染者が報告されています。
我が国では、2009年1月以降、海外で感染して帰国後にチクングニヤ熱と診断された事例がインドネシアから5例、マレーシアから2例、インドから1例、タイから1例のの合計9例が報告されています(2009年12月4日)。
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(4) | ウエストナイル熱・脳炎
鳥と蚊で感染が維持されている感染症です。北米地域で毎年数千人の感染者が報告されています。感染者の一部は重症化し脳炎を起し、まれに死亡することもあります。
我が国では、米国滞在中に感染し帰国後にウエストナイル熱と診断された事例が2005年に1例報告されています。
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以上
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