1.デング熱 |
インドネシアの風土病の一つであり、従来からバリ島を含むインドネシア全域で患者が確認されています。バリ島では今年になって患者数が増加傾向にあり、既に例年の年間患者数(約6千人前後)を上回っています。 |
デング熱は季節によって患者数の増減はありますが通年発生が確認されています。現在はワクチンも治療薬もありませんので、バリ島へ渡航される際には蚊に刺されないよう防蚊対策をしっかり行ってください。(もちろん、バリ島以外の地域でもデング熱の発生が確認されているので同様の対策が必要です。) |
(1)予防方法 |
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デング熱を媒介するネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等は古タイヤの溝などのわずかな水たまりで繁殖するため都市部でも多くみられることを念頭に置き、外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分には昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2〜3時間おきに塗布する。 |
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室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。 |
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規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。 |
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突然の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等が現れた場合には、デング熱を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。 |
(2)参考 |
デング熱の原因はウイルスで、蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)に刺されて感染します。これらは早朝や夕方に活発(夜間に刺された事例もあります)で、屋外より家屋内で刺されるケースが多いようです。 典型的な症状としては、倦怠感、発熱、関節痛、頭痛、目の奥の痛みなどで、38度程度の熱が数日続き、その後発疹が出現します。一段落してからも数週間は肝機能障害や倦怠感が続きます。重症度は様々で、風邪程度で済むケースもあります。 |
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2.狂犬病 |
バリ島では2008年11月に初めての患者が確認されて以降、現在でも引き続き発生しており、これまでバリ島における狂犬病での死亡者は70人を超えています。インドネシア政府やバリ州政府もバリ州における狂犬病撲滅のため、犬へのワクチン接種、野良犬の捕獲、ヒト用ワクチンの準備などの対策を行っています。 |
狂犬病は犬だけでなく猫やイタチ等の他の哺乳動物からも感染する可能性があるため、犬や猫などにむやみに手を出さないよう注意し、もし狂犬病のおそれのある動物に咬まれてしまった場合には、速やかに医療機関で受診して適切なワクチンを接種してください。(もちろん、バリ島以外の地域でも狂犬病が発生し、死亡者も確認されているので同様の対策が必要です。) |
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○参考 狂犬病〜もし、咬まれたらすぐに医療機関へ(2010年3月) http://www.pubanzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2010C070 |