当国での発生の事実はあまり聞かれない手口も含まれていますが、主な犯罪手口には次のようなものがありますので、外国旅行に当たっては御注意ください(アジア、欧米を問わず、多くの国で発生しています。
1. | ケチャップ・スリ、アイスクリーム・スリ
手口: 旅行者の衣服や鞄にケチャップやアイスクリームを故意につけ、「背中にケチャップが付いていますよ」と教え、親切を装い衣服を脱がせて粘液物をふき取りながら内ポケットから財布を盗む。付ける者と教える者の複数がグルになっている場合もある。
対策 :見知らぬ人の親切はキッパリ断り、後で自分でふき取る。人前で財布を見せたり、両替を頼んでくる者には要注意(財布のありかを確認することが目的です。)。 |
2. | コインばらまき
手口 : 犯人が旅行者の目の前で故意に自分の財布を落とし、コイン(又は紙幣)を周囲にばらまく。旅行者が親切にコインを拾っている間に、荷物等を持ち去る。
対策 : 一切無視する。どうしても助けてあげたい時は、手荷物に十分注意する。 |
3. | ワイン・ボトル当たり屋
手口 : 人の往来が多く、肩と肩がすれ違うことを利用し、故意に紙袋を落としてワインの瓶を割る。「すごく高いワインなんだ! どうしてくれるんだ! 弁償しろ!」と畳みかけ、気の弱い旅行者はすぐ現金を差し出してしまう。被害額が5から20ドルと少額なため、被害届を出さない旅行者が多い。
対策 : まず、目立たない、質素な服装等旅行者然としないこと。もし被害に遭ったら「領収書をみせろ」「警官を呼ぼう」等と言ってみる。ただし、相手が集団の場合や夜間の人通りの少ない場所では逆に危険なので、ある程度の現金を渡すこともやむを得ない。 |
4. | スプレー強盗
手口 : 数人に取り囲まれた上で荷物を強奪され、これを追いかけようとするとスプレーで刺激臭を浴びせる。
対策 : 鞄を体に「たすき掛け」する等、荷物を奪われないように工夫する。 |
5. | 首締め強盗(羽交い締め強盗)
手口 : 路上で二人から数人の者たちが背後から首を締め、被害者が意識を失い倒れ込んだすきに荷物や貴重品を盗むというもの。
  短時間の犯行であるため、人通りが少ないところであれば、昼夜にかかわらず、場所を問わず発生している。
  日本人は多額の現金を持ち歩いているという印象があり、欧米人に比べて体格が小さいので、ターゲットにされやすい傾向にある。
対策 : 一人で、あるいは少人数で行動する場合は、怪しい人物に付け狙われていないか、常に周囲に気を配るよう心掛ける。 |
6. | ホテルでの強盗、窃盗
手口 : ホテルの部屋に入るとすぐにドアがノックされたのでドアを開けたところ、賊が強引に部屋に押し入り、金品を強奪する。
  チェックイン後に部屋に入ったところ部屋の電話が鳴り、フロントから「お客様の旅券のコピーを取り忘れたため、係の者が部屋に伺うので、旅券を預けてほしい」と言われた。数分後にボーイが来たので旅券を渡したものの、いつまでたっても旅券が返却されないのでフロントに催促したところ、ニセのボーイだった。
対策 :部屋のドアは必ず防犯チェーンをかけ、ノックされたらチェーンをかけたまま相手を確認する。ホテルの従業員、水道や電気の修理人にみえても、頼んだ覚えがなければ必ずフロントに電話をして確認をとること。 |
7. | 昏睡強盗、睡眠薬強盗
手口 : 市街地を観光中、自分も旅行者と名乗る者(又は地元の住民を名乗る者)から日本語や英語で話しかけられ、一緒に市内を観光した。その後、公園やレストラン等で休憩中にジュースなどの飲み物やクッキーを勧められて飲食したところ、意識を失い、鞄や貴重品を盗まれた。
対策 : 現地で知り合った人から勧められた飲食物を不用意に口にしないこと。また、レストランで注文したものであっても、トイレのため席を離れたスキに睡眠薬を混入させる手口もある。
  こうした犯罪に使用する薬は強力で、後遺症が残る場合があり、非常に危険。 |
8. | いかさま賭博
手口 : 見知らぬ男(あるいは女)が「妹が日本に旅行する予定ですが、日本の事情が分からず母が心配している。あなたからよく説明して安心させてくれませんか」等と話しかけてくる。風体に怪しげな雰囲気はなく、言葉遣いも、物腰も柔らか。そこで事情をもう少し詳しく聞いてみようと、誘われるままに手近なコーヒーショップに入った。男と話すうちにすっかり打ち解け、タクシーで男の家に行こうということになった。男の家では、酒や食事を振る舞い大歓迎。やがて、親戚と称する男が現れて話の輪に入り、鮮やかな手さばきでトランプ手品を見せては座を盛り上げ「これから金持ちの友達がやってくるので、あなたと私が組み、ブラックジャックでもやって、ちょっと儲けましょう」と誘ってくる。やってみると面白いように勝てる。相手は熱くなってきて、ついには「最後の勝負だ」と言って大金(1万米ドル程度)を賭けてきた。自分の手札は相変わらずツイており、負ける気がしない。パートナーの男も「勝負に行け」と目配せしている。「よし、勝負だ!」
  ところが、相手の手札は自分を上回っていた。負けである。ここでハッと気づくが、もう後の祭り。負けた額はクレジットカードで「金(ゴールド)」を買わされたり、日本の留守宅から送金しろと脅迫される。
対策 : 旅先で親しげに話しかけてくる人、特に英語や日本語を話す人を軽々し
く信用せず、見知らぬ人から何か頼まれても安易に請け負わず、臆せず「ノー」と言う。特に車に乗ってしまったら、逃げることはほとんど不可能。 |
9. | 麻薬の不法所持
手口 : 麻薬の売人が近づいて来たり、現地で出会った知人に勧められる。売買直後に警察に密告し、逮捕させるという手口もある(警官と売人がグルになっている)。麻薬と言わず「疲労回復の薬」と言って売る者もいる。
対策 : 断固拒否する。国によっては麻薬所持は死刑になる。現行犯逮捕であり、「出来心」「麻薬とは知らなかった」と主張してもまったく通用しない。
  また、帰国時に空港で見知らぬ人から安易に手荷物を預からない(「日本の友人にこれを渡してくれ」といって頼まれることがある。)。 |
10. | 夜間到着便
手口 : 空港から市内に向かう途中、後ろから来た車が追い越しをかけ、前に出ると行く手をブロックするように止まり、拳銃を手にした男達に全ての所持品を盗まれる。
  あるいは、制服を着用した航空会社職員を名乗る男が声をかけてきて、自分が帰宅する方向だからホテルまで送ってあげるという。怪しいとも思わずに車に乗り、少し走ったところで強盗に早変わり。
対策 : 夜間到着便は極力避ける。どうしても利用せざるを得ない場合は、知人等に出迎えを依頼する。知人がいない場合は、旅行会社に出迎えを依頼し、出迎え人の名前を確認しておく。カメラ等の貴重品をむき出しにしない。 |
11. | ニセの空港出迎え
手口 : スーツケースなどで日本人の名前を読みとり、「鈴木さん、迎えに来ました」と言って車で市内まで連れて行き、適当な安いホテルに宿泊させ、宿泊代を高く取ってはその差額をくすねる。本当の出迎え人はお客が行方不明になったといって大騒ぎ。
対策 : 事前に出迎え人の名前を確認しておく。出迎えの予定がないにもかかわらず、出迎え人がいたら、まずニセ者である。 |
12. | ニセ警官
手口 : 職務質問を装い、身体検査や所持品検査を行い、隙をみて貴重品を抜き取る。あるいは、麻薬を仕組まれ、現行犯逮捕の上、どこかの建物に連行し、「見逃して欲しければ、**ドル出せ」と強要する。ニセの私服刑事もいる。
対策 : 制服に弱い日本人の心理を狙った犯行。相手に身分証明書の提示を求める。宿泊先のホテルや日本大使館(総領事館)で検査に応じる等主張する。夜間や人気のない所での単独及び少人数での行動を避ける。 |
13. | クレジット・カード詐欺
手口 : クレジット・カードで支払いをする場合、客の目の前で伝票を作成せず、従業員だけが奥の部屋にカードを持って行く場合は、複数枚の伝票を作成されることがある。後日、覚えのない請求額にびっくりすることになる。
対策 : 伝票について、?@ 合計額記入欄に金額が正確に記入されているか、?A 通貨単位は正確か、?B あとで金額を書き換えられるようになっていないかをそれぞれ確認する。また、?C サインをした伝票の控えは請求が来るまで大切に保管しておく。 |
14. | 宝石詐欺
手口 : 宝石店で「日本で売れば2〜3倍で売れる」と持ちかけられて購入するも、日本で鑑定してもらったら粗悪品だった。あるいは、「日本に無税で持ち込めるよう、店から郵送してあげる」といわれたが、帰国後に送られてきたものは粗悪品だった。
対策 : 高価なものを購入する際は、信用のおける店を選ぶことが重要。また、クレジット・カードで支払う場合は、金額に間違いがないかよく確認し、控えを必ず保管する。
  宝石店に限らず、高級品を購入する際は十分注意すること。 |
15. | 暴力バー、ぼったくりバー
手口 : 脅迫的な態度で法外な料金を請求するバーがある。
対策 : 客引きや呼び込みのあるバーには入らない。旅行先で知り合った見知らぬ相手とは意気投合しても軽々に飲みに行かず、自分のホテルのバーで飲む。 |