日経BP社、コンパス・グラメディア主催 第1回インドネシア−日本経営者会議
(2013年5月8日)
インドネシア経済担当調整大臣府 リザル・アファンディ次官 殿
コンパス・グラメディアCEO アグン・アディプラセトヨ 様
日経BP社長 長田公平 様
ご列席の皆様
本日は、日経BP社、コンパス・グラメディア社主催の第1回インドネシア−日本経営者会議にお招き頂き、誠にありがとうございます。
インドネシア経済の現在のダイナミズム、そして将来に向けての発展力については皆様よくご承知の通りでありますが、日本インドネシア関係も現在新たな躍動期を迎えています。このような時期に、日経BP社とコンパス・グラメディア社がビジネス交流会を開催されることは、まことに時宜を得たものであると考えます。
日本とインドネシアは長年にわたり強い友情と敬意で結ばれた極めて緊密な関係を構築してきました。今日、インドネシアは日本にとってかけがえのない友人かつパートナーであります。更に喜ばしいことに、現在、インドネシアと日本は、今申し上げましたとおり、新たな躍動期を迎えています。私は、2年前にインドネシアに赴任いたしましたが、赴任以来日本からの投資の新たな「波」を肌で感じてきました。実際、日本からインドネシアの直接投資の動きを見ますと、2011年には前年比倍増の15.2億ドル、2012年には前年比約6割増の24.6億ドルとなり、本年第1四半期には前年同期に比べ83%増の11.5億ドルに達しています。インドネシアにおける日本企業の数は、2010年の1005社から2012年には1255社と250社増えました。在留邦人も2010年の1万1700人から2012年には1万4800人と3000人以上増加し, 1998年の経済金融危機による影響を乗り越え、55年前の外交関係樹立以来最も高い水準に達しました。
さらに特筆すべきことは、両国関係は、単に量的に拡大しているだけではなく、深さ及び広がりを見せていることです。即ち、日本からの投資においては、自動車・二輪車関連を中心に製造業が重要な役割を果たしていることに変わりはありませんが、近年、インドネシアにおける中間層の増加を反映し、小売業、金融、保険などサービス業の進出も目立ちます。また、これまであまりインドネシアとの交流のなかった日本の地方自治体もインドネシアとの関係強化に関心を高めており、昨年は岡山、高知、青森など各県の知事や中部地域や九州の経済ミッションなどが当地を訪れました。本年もすでに関経連ミッションが当地を訪れました。愛媛県知事は先月訪問され、来週以降も秋田県知事を始め多くの知事の方々の訪問が予定されています。このような各県の動きと歩調を合わせ、2011年以降日本の地方銀行も日本各地の企業を支援するためインドネシアに進出しており、その数は現在40行に達しつつあります。
日インドネシア両国は、極めて暖かい親近感で結ばれていますが、新たな躍動期を迎え、日本においてはインドネシアがますます身近に感じられるようになりました。今日、新聞においてもほぼ毎日インドネシアに関連する報道が見られます。人的交流も、相互の親近感を一層高める上で大きな貢献を果たしています。2008年に発効した両国間のEPAに基づきこれまで892名の看護師及び介護福祉士候補生が日本で活躍され、各地で高い評価と好感を得ています。このうち192名の方は日本の国家試験に合格されました。
観光もこれから一層期待される分野です。昨年には日本から44万5千人がインドネシアを訪問しました。インドネシアから日本を訪問した人の数も昨年はじめて10万人を超えました。メトロTVの素晴らしい番組「心の友」は観光交流に大きく貢献しています。本年4月にガルーダ航空が山梨県と共催して実施したサイクリング・ツアは日本のNHKでも大きく全国に報道され、日本におけるインドネシアの親近感を一層高めています。
ご列席の皆様、
日インドネシア関係は、現在新たな躍動期を迎えています。今後の日−インドネシア関係においては、これまでの協力を一層強化すると共に常に新たな息吹を与えていくことが重要です。
2011年5月、ハッタ経済調整大臣はインフラ整備を中心とするインドネシアの長期的開発計画であるMP3EIを発表されました。これは、インドネシアの経済発展にとって極めて重要なマスタープランであると認識しています。日本としても、首都圏投資促進特別地域(MPA)と呼ばれる首都圏のインフラ整備等をはじめとしてMP3EIの実現に積極的に貢献したいと考えています。また、環境、エネルギー、科学技術なども今後の協力の重要な分野であると思います。
私は、両国の協力関係の推進は、日本とインドネシア両国の発展はもとより、より広くこの地域全体の発展に寄与するものと確信しています。両国関係は、今日一層の深さ及び広がりを見せています。両国にとって新たな多くのビジネス・チャンスが生まれていると思います。ビジネス関係の強化はまた、両国関係の深さ及び広がりを更に強化することになるでしょう。
本日のフォーラムの開催により、両国間の多くの新たな協力の道が開かれんことを祈念致します。
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