2009年1月15日
国立イスラム大学保健・医学部整備事業の起工式について
1.式典概要
    1月15日、バンテン州の国立イスラム大学において、日本国政府が、インドネシア共和国政府に対し円借款を供与した「国立イスラム大学保健・医学部整備事業」の起工式が行われた。日本側からは、塩尻大使、坂本JICAインドネシア事務所長他、インドネシア側からは、マフトゥ・バシュニ宗教大臣、ラトゥ・アトゥット・バンテン州知事、コマルディン・ヒダヤット国立イスラム大学学長他が出席した。
2.国立イスラム大学保健・医学部について
    インドネシアでは、地方、特に農村部における医療従事者不足、医療の地域格差が問題となっていることから、地方における医学教育の機会の提供及び地方における医療従事者の育成が必要とされている。
    このような問題の解決に寄与するべく、同大学は「社会生活の質的改善に向けた貢献」を大学の建学の精神の一つとして掲げ、地方・地域貢献を重視している。同大には、地方出身者が在学生の半数を占めている(なお、イスラム教徒であることは、同大学の入学要件ではない)。
3. 案件の目的
    地方農村部の貧困層の学生幅広く多く受け入れてきた伝統を持つ同大学に対し、日本政府が円借款を供与することによって、保健・医学部の校舎を建設、機材供与、教員候補生を日本へ留学させることで、医業を志す地方出身に対し新たな門戸を開くとともに、地方における医療従事者不足および都市・地域間の医療サービスの格差是正を期待している。また、同大学が、地方で医業に携わる質の高い人材を輩出していくことで、インドネシア全体の保健・医療レベルの向上に繋がることを期待している。
4.案件の内容:
    バンテン州に位置する国立イスラム大学の校舎(保健・医学部)、寄宿舎建設、機材供与および教員候補生の日本留学を行うもの。2011年に事業完了予定。
L/A締結日: 2005年3月31日(2004 年度)
総事業費: 3、510百万円(内、円借款対象額2,983百万円)
事業実施機関: 宗教省イスラム研究総局
5.主な施設建設内容:(2009年12月に施設完成予定)
(1)学部棟
規模: 約15,000?u、地上5階、敷地面積:約26,000?u
施設内容:医学科、薬学科、公衆保健科、看護科の4学科の研究室・実習室、共用講義室、図書室、コンピューター研修室、講堂、モデルクリニック、学生センターなど。
(2)寄宿舎棟
規模: 約3,000?u、地上5階、敷地面積:約4,100?u
施設内容:約300人収容の学生用寄宿室、食堂、学習室など
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