本18日(金)午後5時50分頃から約3時間,前原誠司外務大臣は,外務省賓客として訪日中のマルティ・ナタレガワ・インドネシア外務大臣(H.E. Dr. Marty Natalegawa,Minister of Foreign Affairs)と飯倉公館において第1回閣僚級戦略対話として会談及び夕食会を行ったところ,概要は以下のとおりです。 |
1. |
冒頭 前原大臣より,タイ・カンボジア国境情勢に対するASEAN議長国としての仲介努力を評価する,かかる状況の中でマルティ外相に訪日いただき,第1回閣僚級戦略対話を実施できたことは喜ばしい旨述べました。これに対して,マルティ外相より,訪日招待への感謝の意の表明と,エジプト情勢及びタイ・カンボジアの国境情勢に対する取組について説明がありました。
|
2. |
二国間関係 前原大臣より,二国間関係をレベルアップさせるため本年を活用したいとして,戦略的パートナーシップ深化のための,両国首脳間の対話や閣僚級戦略対話,閣僚級経済協議などあらゆるレベルでの対話の強化,海上安全保障や災害救援などの安全保障分野での協力,「首都圏投資促進特別地域(MPA)」構想の推進などのインフラ整備を含む経済分野での協力強化について言及し,日本インドネシア経済連携協定(EPA)に基づくインドネシア人看護師・介護福祉士候補者受入れの制度改善に向けて両国間で協力していきたい旨述べました。これに対して,マルティ外相より,二国間関係は重要であり,特に首脳会談を早期に実施することの重要性を認識している,ユドヨノ大統領の訪日とともに,菅総理のインドネシア訪問を期待している,両国関係のさらなる強化のため,今回の閣僚級戦略対話は有意義であり,政治・経済・安全保障分野の各分野での協力強化のため今後も引き続きよく意見交換していきたい旨述べました。また,前原大臣より,インドネシアのPPPインフラ整備を中心とした投資環境の整備を目的とした「第三次インフラ改革セクター開発計画」に対し,1億ドル相当(82.91億円)の円借款を供与する意向である旨を伝えました。これに対してマルティ外相より,長年の日本の支援に感謝の意が表明されました。
|
3. |
東アジア地域における協力 前原大臣より,インドネシアがASEAN議長国を務める本年,ASEAN関連外相・首脳会議に向けた連携の強化について,我が国としても協力していきたい,日ASEAN関係を規定する新文書策定について協議を進めていきたい旨述べました。これに対して,マルティ外相より,これまでのASEANへの我が国の支援に謝意を示しつつ,本年のASEAN議長国としての優先事項の説明があり,ASEAN共同体構築,連結性強化,EASの枠組でも引き続き協力していきたい旨述べました。 また,ミャンマー問題に関して,前原大臣より,国際社会としてミャンマーへの関与・対話を継続することが必要であり,ASEAN諸国,特にインドネシアとは引き続き緊密に連携していきたい旨述べました。これに対して,マルティ外相より,先月の非公式外相会合等におけるミャンマー問題へのASEANの取組の説明がありました。
|
4. |
地域・グローバルな課題における協力 前原大臣より,中東和平,特にパレスチナの国造り支援を両国が共に協力して推進していきたい,プロジェクト形成のための日インドネシア合同調査団を2月14日から西岸へ派遣したことに言及しました。 このほか,両外相の間で,北朝鮮に関して意見交換しました。特に前原大臣からは北朝鮮による日本人拉致の問題は深刻な問題である旨の日本の立場を説明したのに対し,マルティ外相からは,インドネシアとして支援できることがあれば,いつでも言ってほしいと述べました。
|
5. |
夕食会 夕食会は,大変和やかな雰囲気の中で,予定された時間を大幅に超過して行われました。前原大臣より,スポーツ交流の話題になり,二国間でも例えばサッカー交流をさらに強化していきたい旨述べました。また両外相の間で,このような分野で両国の若い世代の交流の進展を進めていくことは有意義である点で意見が一致しました。
|